携帯ネットワークにつながらない携帯電話が無用の長物であるように、今やどんなに優れたコンピュータであってもネットにつながらなければ価値が伴わない。「インターネットがプラットフォームである」という考え方は着実に浸透している。Microsoftですら、Meshという名称でクラウドの利用をアピールし始めた。
GoogleやAmazonがプラットフォームとして認められているように、確実にクラウド化は前進している。ここでO'Reilly氏が懸念するのは「クラウド化とWeb 2.0の本質の矛盾」である。クラウドの意味や効果が広く一般に理解され、GoogleやAmazon、Facebookなどのサービスが広く利用されるようになっているが、これらのサービスが便利であるがゆえに、これらにユーザーが集中してしまう。オープンな分散ネットワーク上に構築されながらも特定のアプリケーションが排他的な力を持ってしまうという矛盾が見られる。「われわれはアプリケーションやサービス間の相互運用性をしっかりと認識する必要があり、それが今回のWeb 2.0 Expoの大きなテーマの1つになっている」と述べた。