中国でメディアを統括する行政部門である国家新聞出版総署が公表した統計データによると、昨年の中国のオンラインゲームの市場規模は105億 7,000万元 (約1,560億円)に達し、前年比61.5%増となった。オンラインゲームが、今や中国の インターネットユーザー(網民)にとり最大の娯楽となっているのは間違いない。本稿では、中国におけるオンラインゲーム市場の現状を紹介、併せて同市場に存在するチャンスとリスクを探ってみたい。
広告出稿が増加、関連アイテムの販売も好調
オンラインゲームのビジネスモデルに、ここのところ明らかな"変化"がみてとれる。
まず第1点として、過去5年間に中国オンラインゲーム市場が驚異的なペースで成長を続けてきた過程で、伝統的なポイントカードの売り上げを主な収入源とする運営モデルから、バーチャル装備の販売や付加価値の付いたサービスを主要な収入源にする運営モデルへと転換しつつあることが挙げられる。
第2点として、スポンサーがオンラインゲームにおける広告掲載の価値を認めるようになってきたことも挙げられる。ゲーム広告は2006年から目立って増えてきたが、若者に人気の音楽系ゲームとスポーツ系ゲームに絞って広告を打つのが、現在の"流行"ともなっている。
第3点として、オンラインゲームが、関連周辺製品のマーケティングにまで大きな影響力を及ぼすようになってきていることが挙げられる。オンラインゲームはいまや中国人にとって主要な娯楽の1つとなっており、多くのゲーマーはゲームをプレイする事にとどまらず、自分の好きなゲームに関連するさまざまなグッズ、関連製品を買い求めるようになってきている。