--現在、カラープリンタ市場では複合機に勢いがあります。この複合機市場についてはどうアプローチされていくのでしょうか。

杉本晴重氏:確かにMFPはプリンタ業界全体の流れとして伸びている市場の一つですね。当社の製品で考えれば、コピアとの棲み分けがポイントになると考えています。我々が確認しているお客様のニーズは「スキャニング、ファイリング、プリンティング」がオールインワンになっていること。この点で、コピアの複合機とは考え方が違うかもしれません。加えて、海外ではA4モデルが主流ですが、国内で求められるのはA3対応モデルです。当社では2007年8月にC3530MFPをリリースしましたが、今後はA3対応モデルの発売を考えています。

--2006年に発売された「C series」では、ボディデザインも評判になりました。OKIデータが変わった、とアピールする大きな契機になったように見えましたが。

杉本晴重氏:「C series」のデザインは「Simple、Smart、Solid」というS3(エスキューブ ※数字の3は三乗)がコンセプトでした。第一印象でOKIデータの製品だと分かるようにすることが目標で、現在ではOKIデータにおけるブランド戦略のひとつになっています。ボディデザインは日本で行い、機能優先でそれを覆うだけの箱を作るのではなく、先に大きさ、重さ、デザインを決定してから中に入れるトナーやドラムといった部品を作っていくようにしています。もちろん、ヨーロッパ、アメリカ、日本と求められる製品の条件は異なりますが、最終的には投票を行って全世界で同じものを販売するようにしています。世界のどこでもOKIブランド製品は変わらないスタイルで販売されていること、それがOKIデータの「OKI Printing Solutions」というグローバルブランドに表れているのです。

--その海外市場ではOKIブランドが高い評価を得ています。国内でのブランド周知に対する戦略はどのようなものでしょうか。

杉本晴重氏:ブランドは宣伝したからといってすぐに普及するものではありません。やはりOKIデータしかできないこと、すなわち、「OKIデータ=LED技術」とイメージされる活動が大切です。MICROLINE製品のリピート率は競合他社の中でもナンバー1の実績をもっていますから、まずは購入対象として舞台に上がることを狙っていく必要があります。同時に、サポート力の充実も重要です。今まで以上にディストリビューターとの関係を強固なものにして、お互いの情報を共有することでお客様の満足度をあげていくこと。こうした積み重ねが、いずれはブランド力の強化にもつながっていくと考えています。

--ありがとうございました。