ネット世代の選挙参加、ネットの双方向性は選挙報道にも変化をもたらしている。若い層を視聴者層とする音楽チャンネルのMTVは大統領選向けに「Choose or Lose」と題したWebサイトを用意している。スーパーチューズデーにはMTVで同名の選挙番組を放映。Webサイトではストリートチーム '08という市民ジャーナリスト/ レポーターが、全米の投票所の様子、集まった人たちの意見や雰囲気などを動画の投稿やブログなどで紹介した。
PEWの調査によるとネットユーザーが情報源としているWebサイトのトップ10は、1.MSNBC.com 2.CNN.com 3.Yahoo! News 4.Google News 5.Fox News 6.AOL News 7.New York Times 8.Drudge Report 9.MySpace 10.YouTube。
新聞系のWebサイトはNew York Timesだけと苦戦している。新聞離れがWeb版にも反映された状態であり、これに歯止めをかけるべく、新聞社もマルチメディアやライブブログなどを用いたWebサイトを用意している。
唯一トップ10入りを果たしたNew York Timesの選挙ガイドは、豊富なデータを揃えた包括的な情報サイトとなっている。州ごとの結果と分析、ライブブログ、スライドショー、読者からの写真投降、過去の選挙結果など非常に充実した内容だ。
Washingon Post紙は、スーパーチューズデーの東部時間午後6時からWashingtonPost.comで「Inside Super Tuesday」という同紙のリポーターやコラムニストが選挙を解説するビデオプログラムを提供した。また同紙の選挙マップは、各候補の背景や各州への関わりを地理的にまとめており、Web 2.0世代の手法を用いた使い勝手のよいユーザーインタフェースを含めて高く評価されている。
テレビ局の中ではABCがFacebookと提携して話題になっている。ABC Newsの選挙サイトとFacebookとの提携サイトの2本立てで、さらにFacebookユーザー向けに選挙情報の入手や意見交換などを行えるFacebookアプリを提供している。FacebookユーザーはABC Newsのリポーターのプロフィールを登録すると、最新ニュース、取材裏話に触れたブログなどにアクセスできる。候補者や各候補の主張に対して意見を述べられる場にもなっており、逆にFacebook上での動きがABC Newsによってコミュニティの外にも広く伝えられている。
今回の予備選では、経済、イラク、移民、医療などの問題が討論の大きなトピックとなっている。様々な問題が議論される大統領選において、すべての候補の主張を把握し、自分が支持すべき候補を見つけ出すのは難しい。そこでABC Newsは「Match-o-Matic」というユニークなWebサービスを用意した。「USはイラクに侵攻し、サダム・フセインを排除すべきだったか?」というような11の質問に答えると、17候補の内から自分と意見の合う候補3人を選び出してくれる。
Googleは、YouTubeにSuper Tuesdayチャンネルを用意し、全米各地の大統領選挙関連のビデオ「You Choose '08」をマップ上から選んで鑑賞できるようにしている。またTwitterと提携して、Twitterのスーパーチューズデー関連の投稿をGoogle Super Tuesday Mapに自動表示されるようにした。同マップでは、最新のYou Choose '08ビデオ、Google Newsの最新ヘッドライン、選挙結果などもまとめて確認できる。今日のGoogleの情報サービスの集大成と呼べそうな選挙ポータルとなっている。