米国時間の2月5日は米大統領選の候補者指名の行方を占う「スーパーチューズデー」だった。共和党は21州、民主党は22州と米国領サモアで投票を実施した。特に民主党の候補者指名争いには史上初の「女性大統領」「黒人大統領」の誕生がかかっており、これまでに開かれた予備選・党員集会は、いずれも記録的な投票率となった。スーパーチューズデーも、その例に漏れず、各州で過去最高を大幅に上回る高い投票率が報告されている。例えば注目の州の1つだったカリフォルニア州では、1,570万人の登録者に対して58.5%に相当する約920万人が投票したとサンノゼマーキュリー紙は推定している。過去最高は2000年の780万人だった。

今回の大統領選で最も熾烈なキャンペーン競争の場となっているのがネットだ。元プロレスラーのJesse Ventura氏が当選した1998年のミネソタ州知事選、2004年大統領選のHoward Dean旋風など、米国では過去にネットの草の根選挙運動が番狂わせを演出した例があり、今回の選挙ではほぼ全ての候補者がオンラインキャンペーンに力を注いでいる。

ネットを重んじる傾向は有権者側も同様だ。PEW Research Centerが1月に公開した有権者調査の結果によると、米国人の24%がインターネットから大統領選に関する情報を得ている。前回の大統領選の同時期の調査では13%だった。テレビを主な情報源にしているという回答は60%とネットを大きく引き離しているが、2000年と2004年の68%に比べるとポイント下落が目立つ。またテレビの数字には日常的にニュース番組を視聴している人が含まれるため、目的を持って選挙の情報収集に利用しているユーザーが多いネットに比べると選挙に対する関心の度合いが低い。例えばテレビのニュースやトークショーで候補者のインタビューを見たという人は57%だが、候補者討論会の中継を見た人は43%にとどまる。一方ネットユーザーは、電子メールで友人や家族などと情報交換や議論している人が16%、大統領選に関してSNSを利用している人が7%。インターネット利用者が24%であることを考えると、ネットユーザーは漫然とニュースサイトを見ているだけの人が少なく、情報収集に加えて議論や意見交換の場としてネットを活用している。