欧米では日本と異なり、BIに対する関心、その重要性への認識は高い。これら各国では近年、「企業のCIOがITの領域で最も重視しているソリューションはBIである」とさえいわれている。そのような状況を受け、BIへの需要が伸び、企業での活用が進んでいる米国では、BIの「コモディティ(日用品)化」が始まっているとの声も聞かれる。ある商品が特別な存在でなく、普及商品的になっていく「コモディティ化」が進行すれば、技術面、機能などでの競い合いではなく、激しい価格競争が起きることになる。

しかし、エンタープライズ向けBIが、企業が求める要件に十分に対応するためには、よりいっそうの技術革新が必要である、というのがMicroStrategyの主張だ。たしかにMicrosoftやOracleは低価格化戦略に着手してはいるが、BI市場での争点が価格だけに絞られている状況 - つまり「コモディティ化の進行」にまでは至っていない。

大手各社がBI専業ベンダを傘下に収めた理由も、企業の経営状況をより包括的に把握するCPM(Corporate Performance Management: 企業パフォーマンス管理)など、技術的な要素を求めている部分の比重が大きい。2007年に起こった「大統合」が一段落する2008年こそ、BI業界での新たな戦いが始まることになるだろう。