EclipseとNetBeansを比較した場合に最も大きな違いの1つはビルドに関する部分だ。
Eclipseには「インクリメンタルビルド」と呼ばれる即時差分ビルド機能が備わっており、ソースコードを編集して保存すると即座にビルドが実行される。このときプロジェクト全体をビルドするのではなく差分のみビルドを行うため、ビルドは高速に完了する。
これに対してNetBeansではビルドにAntを使用する。ソースコードを編集して再ビルドすると差分のみビルドされるが、ソースファイル単位での差分しか認識されないためインライン展開されたfinal変数やメソッドが存在する場合は、いったんプロジェクトをクリーンして再ビルドする必要がある。これはEclipseと大きく異なるところだ。意識していないとトラブルの元になるので注意してほしい。
なお、NetBeansではビルドだけでなく、テストの実行などの操作もAntで行うようになっている。ビルドファイルを編集することでビルドプロセスを自由にカスタマイズできるほか、NetBeansがなくてもAntさえあればプロジェクトをビルドできるというメリットがある。