NetBeansはこれまでも機能は豊富だったが、動作速度や使い勝手などの問題から、ユーザ数の面でEclipseに大きく水をあけられていた。しかしここ数年はバージョンアップごとに着実に改良を重ねており、6.0においても派手な機能追加だけでなく、地味な部分の使い勝手もかなり向上している。また、これまで同様、Java標準仕様のサポートも早く最新のJava技術に触れてみたいという場合には最適のIDEといえる。
とはいうものの、NetBeansとEclipseはどちらが勝っている劣っていると単純に言い切ることはできない。両者それぞれに利点と欠点があるのだ。
たとえば標準搭載されている豊富な機能や最新のJava仕様がいち早くサポートされる点などは確かにNetBeansの大きなメリットといえるが、Eclipseには多くの利用者を背景にした膨大なサードパーティ製のプラグインが存在するし、細部の使い勝手や柔軟性、情報量などの面ではやはり多くのユーザに揉まれているEclipseに一日の長があると感じるケースが多いのも事実だ。
開発環境に求められる要件は開発対象のアプリケーションやプロジェクトによって異なる場合もある。NetBeans、Eclipseに限らず利点と欠点を把握した上で最適な開発環境を選択するといいだろう。