電話とネットを結び付けた新サービスも

これまで家庭の情報化はパソコンを端末として考える傾向にあった。その結果、中国におけるパソコンの価格の高さも手伝い、パソコン自体の普及が、全国規模では携帯電話ほどの急速な伸びが見られないということになっている。

一方、家庭における総合情報サービスプラットフォームとして利用されるIPTV(Internet Protocol Television)は、パソコンに比べて価格が相対的に安い。テレビという一般的な家電を通じ、インターネットがより簡単に一般家庭、とく農村部の家庭に入ることができるようになると予測される。

中国電信集団はすでに、家庭向けインターネットサービスのブランド「我的e家(我がe家)」をはじめとする一般家庭向けネットサービスの強化を打ち出している。また、114をダイヤルすれば各種の電話番号を調べることのできる「番号百事通(お尋ねダイヤル)」とインターネットでの優位性を結び付け、電話での音声サービスとインターネット、IPTV、モバイル通信などを有機的に結びつけたマルチ検索サービスを実現しようとしている。

IPTVの普及は徐々にではあるが進みつつあり、今年の第2四半期までに中国電信集団と中国網絡通信集団のIPTVユーザー数は84万世帯に達した。

家庭の情報化は、いまや中国でも一種のトレンドとなっているが、その牽引力は、現在見る限り、まずインターネットの普及であり、所得水準をはじめとする人々の生活水準の向上だ。

高度経済成長が持続し、都市から農村への富の再分配が現政府の下で進み、なおかつ国家の長期的な通信インフラ投資が全国規模でおこなわれれば、都市部で始まった一般家庭でのオンライン消費が農村部を巻き込むようになる可能性は充分にある。中国におけるインターネットインフラの整備とネット消費の動向から、今後も目が離せない。