新たなネット広告に育つ可能性

お台場ランドでは、アドバゲームだけでなく様々な試みが行われている。外部のオンラインゲームへのリンクを置くアフィリエイト的なものや、キャラクターゲームと宅配ピザクーポンを組み合わせた複合的なタイアップなどもそのひとつ。久恒氏は、まだ実験の色合いが強いが、可能性を追求してみたいと言う。お台場ランドとアドバゲームの今後について聞いてみた。

――これまでの実績でアドバゲームの認知度はだいぶ上がっていますか?

田平氏　クライアントによりますね。話をすると、面白いねということにはなるんだけど、その先へはまだひと山ある。ゲームに広告効果があるということが、まだよく知られていないと思う。

携帯電話とも連動している「ネットでガチャガチャ」

――携帯電話への対応は広げる予定ですか?

田平氏　現在、本格的に携帯と連動しているのは「ネットでガチャガチャ」だけです。
久恒氏　もっとやりたいんですけど、機種ごとのローカライズなどが簡単にできなくて。市場的には興味があるけど、本格的に攻め込めていない状況です。
田平氏　ユーザー層からいうとアリだと思うので、今後はもちろんやっていきたい。

――フジテレビが手がけるアドバゲームの強みはどこにあるでしょうか?

久恒氏　(お台場ランドを支持してくれる)良質なユーザーを抱えているという土台を持っていることと、ウチでしかないノウハウ、企画力があることだと思います。この2つがいっしょにならないと成功はない、どちらが欠けてもダメだと思っています。


アドバゲームの強さの秘密

お二人の話には、言葉は違うがこの"質の高いユーザー"のことが何度も出てきた。広告の実績について聞きに行って、こんなにユーザーの話が出てくるとは思っていなかったのだが、確かに広告は伝える相手があってこそだ。きちんと見てくれる相手のいるところに出すことができれば、これに優るものはない。しかし、その相手もこれまでのサイトの魅力あってこそ集まってくれている、という経緯がある。お手軽な人集めでは、こうはいかないだろう。

アドバゲームは、決まった型がなく案件ごとのオーダーメイドとなるだけに、こなせる量は限られ、制作側の負荷も大きい。また、ユーザーを引き込んでおけるだけのサイト運営が常に行われていることが必要だ。商売として効率が良いかと言えば、反対意見のほうが多いだろう。しかし、自動化・最適化・効率化で大量生産されるものとは違うところにこそ、アドバゲームの強さの秘密があったのだ。