Mobile Device Managerの特徴は、企業ニーズで利用される携帯端末をいかに効率的に管理し、アクセス性を向上させるかという点にある。サーバソフトウェアとして企業ネットワークに導入することで、登録したWindows Mobile端末を管理コンソール上から一元管理できるようになる。Windows Mobile端末から企業ネットワークへのアクセスはActive Directoryの認証を用い、その際の権限はグループポリシーによって制限できる。また通信機能やカメラ機能など、携帯電話特有の機能をポリシーによって制御することも可能だ。このほか、Windows Mobile 6の機能を利用して電子メールや連絡先、各種ファイルに暗号化を施し、情報漏洩のリスクを低減する役割もある。

アクセス面ではVPN接続機能が強化されており、パーシステンスなセッションの継続や、断線時の再接続機能を駆使して、可能な限り快適なネットワークアクセス環境の実現を目指している。ネットワークアクセスは携帯電話の通信網のほか、Wi-Fiなどからの接続にも対応する。またVPN接続に際しては、OMA DMやIKEv2などの業界標準もサポートする。

Mobile Device Managerは2008年前半にも市場に投入されることになる。米通信キャリアのAT&TがMicrosoftとの提携を発表しており、同社のビジネスユーザーに向けて製品の提供やサポートを行っていく予定だという。AT&T以外のベンダーも同様のパートナーシップを表明している。例えばAT&Tのライバルでもある通信キャリアのSprintではMobile Device Managerのサポートに向け、2008年にWindows Mobile搭載端末の製品ラインを拡充する計画だ。またHP、HTC、i-mate、Intermec、Motorola、Palm、Samsungといったベンダーが、既存のWindows Mobile端末をMobile Device Managerに対応させるためのアップデータを2008年後半より提供する見込みだという。