そして、この時代になると、コンピュータを計算処理に使うだけでなく、自動制御の頭脳として使おうという動きが出てくる。

1962年に配備が始まったMinuteman Iミサイルは制御用にデジタルコンピュータを搭載した最初のミサイルであり、組み込みコンピュータの元祖とされる。

Minuteman Iミサイルの制御コンピュータ。

写真の見られるように12個のカードケージを円筒状に配置し、外側からプリント板を指し込み、中央側にバックパネルの配線があるという構造になっている。

また、Computer History Museumには、もう一つの初期の組み込みコンピュータである1965年に作られたApollo宇宙船のガイダンスコンピュータも展示されている。

Apollo宇宙船のガイダンスコンピュータのロジックモジュール。ボードの挿入側(左)と配線の見えるバックプレーン側(右)

こちらは熱伝導を良くするためか真鍮の塊のような筐体で、宇宙船に載せるのに重量は大丈夫なのかと気になるような構造である。なお、写真では奥行きが見えないが、かなり薄いモジュールであり、各プリント板は幅広で高さが低い、細長いものになっている。