中国におけるブログの「実態」とは

「草根博客」への変容ぶりは、網民が普段閲覧するブログからもみてとれる。

「零点報告書」によれば、「名人博客(有名人ブログ。新浪博客、博客中国などのブログポータルサイトにある有名人のブログ)」を読む網民は19.7%に過ぎず、50.5%の網民が「特定の閲覧対象はなく、サイトが推薦しているブログを適当に読む」。28.2%の網民は、「何人かの限られた友人や博友(ブログ上で知り合いになったり、付き合ったりしている友達)のブログを読む」と答えている。

自分のブログを一番読んでくれるのは「博友」(51.8%)。これに次ぐのが「同級生」(43.5%)、「ネット上の知らない人」(35.8%)、「周囲の友達」(30.0%)、「親など親戚」(2.8%)となっている。「普通の人々」が書いたブログが、博友、同級生などの「普通の人々」に読まれているという実態がわかる。

いま中国で、最も読者から歓迎されているブログポータルサイトは新浪博客だ。61.7%のブログ読者が新浪博客でブログを閲覧している。第二位は捜狐博客で、利用率は33.2%。以降、第三位のMSN博客(25.7%)で、第四位の博客中国(blogcn、18.3%)、第五位の博客網(bokee、9.5%)、第六位の天涯博客(3.5%)と続く。総合ポータルサイトの新浪、捜狐、MSNが開設しているブログポータルサイトが、ブログ専門サイトの博客中国などより、読者から高い人気を博しているわけである。

ブロガーがブログを発表する場として利用しているブログポータルサイトの人気度(利用率)をみると、第一位が新浪博客(49.6%)、第二位がMSN博客(18.6%)、第三位が博客中国(12.9%)、第四位が博客網(6.0%)、第五位が捜狐博客(3.8%)、第六位が賽我博客(3.1%)となっている。総合ポータルサイトのブログポータルサイトが、発表する場としても高い人気を誇っている状況がうかがえる。新浪博客が、読者、ブロガーの双方にとって、人気No.1のブログポータルサイトとなっている。

最大関心事はページビュー

中国のブロガーにとっても、最大の関心事は、やはりページビューだ。

1.6%のブロガーがページビューについて「非常に関心を払っている」とし、39.9%が「比較的関心を持っている」。「どちらから言うと関心を持っている」のが25.9%。「全く関心を持っていない」と「あまり関心を持っていない」を合わせて32.5%となっている。

ブロガー、特に普通の人々の場合、自分のブログ日誌などに関心を持ってもらいたいという強い願望が伺える。その底流には、ブロガーの自己表現欲、人々に「認めてもらいたい」という意識が潜んでいる。これは、ブログが持っている本来の意味や機能からみれば、当たり前のことだといえよう。

しかし、ブロガーのページビューに対する強い関心とは対照的に、中国の読者は、閲覧するブログ日誌などに対してコメントや感想を書き込む「発帖」や「跟帖」への情熱は、さほど熱くないようだ。