アンドゥ・リドゥ対象の拡張
ブックマークやタスクの追加/削除や、ファイルやフォルダの削除といった操作もアンドゥ、リドゥできるようになった。特にファイルやフォルダを間違えてうっかり削除してしまった場合にアンドゥできるのは大きい。
キーバインドの設定
キーバインドの設定を行うためのプリファレンスページの使い勝手がかなり改善されている。Eclipse 3.2までのキーバインド設定画面は正直直感的とは言い難いものだったが、3.3では非常に明確なユーザインタフェースとなっている。
図 8: キーバインドの設定 |
また、以前は膨大なコマンドの中からキーバインドをカスタマイズしたいコマンドを探すのが大変だったが、3.3ではコマンドの絞込み検索を行うことも可能となっている。
実行/デバッグ
ツールバーやメニューからアプリケーションの実行/デバッグを行う際、これまでは前回起動した起動構成が実行されていたが、選択されているクラスやアクティブなエディタで表示されているクラスが実行可能な場合、そのクラスが実行されるようになった。この設定はワークベンチの設定で変更することができ、これまで同様常に前回の起動構成を実行するようにすることもできる。
図 9: アプリケーションの実行に関する設定 |
スペルチェック機能
テキストエディタやソースコード中のコメント部分、CVSのコミットログを入力する際などにスペルチェック機能が利用可能になった。エラー部分でクイックフィックス([CTRL]+[1])を起動するとスペルミスの修正や辞書への単語登録を行うことができる。しかし、チェックが可能なのは英文のみであることや、Javadocに含まれるHTML部分などは大抵エラーとなってしまうため、あくまで補助的な機能といえるだろう。
図 10: スペルチェック機能 |
なお、Eclipseの設定ダイアログでスペルチェック機能を無効にすることもできる。オプション設定の変更や辞書登録(1行に1単語ずつ記述したテキストファイルを指定する)を行うことも可能だ
図 11: スペルチェックの設定 |
テキストの比較
EclipseではローカルヒストリやCVS/Subversionリポジトリ、ワークスペース内の任意のファイル間の差分をグラフィカルに表示し、マージ作業を行うことができるが、これまでは行単位の差分しか表示されなかった。3.3では以下のように文字単位で差分が表示されるようになり、差分がより把握しやすくなっている。
図 12: 文字単位の差分表示 |
SWTの新機能
EclipseではGUIツールキットとして独自のSWTというツールキットを使用している。Eclipse 3.3ではSWTに以下のような拡張が行われた。
日付選択コントロール(DateTime)が追加された
MozillaがWindowsやMacOS Xでも利用可能になった(要XULRunner)
ドラッグ&ドロップのエフェクトがカスタマイズ可能になった
MacOS Xでもタスクトレイが利用可能になった
StyledTextに行番号を表示するオプションが追加された
GTK+で印刷のサポートが追加された
PNG形式での画像出力がサポートされた
GTK+2.4以降の場合、コンボボックスにネイティブウィジェットを利用するようになった
図 13: DateTimeコントロール |
Eclipseを開発ツールとして利用するだけであればSWTの機能拡張を意識する必要はないが、Eclipseプラグイン/EclipseRCPアプリケーションの開発者は押さえておく必要があるだろう。