昨年、米国の市場調査会社ComScore Networksが発表した報告書によれば、米国のネットユーザーは1月あたり74億回のネット検索をしている。Googleは10カ月連続で成長を続け、現在のシェアは実に44%だ。これに続くのが2位のYahoo!と3位のMSNで、それぞれ28%と13%のシェアを占めている。

しかし、中国市場では様子がまるで違ってくる。中国本土の代表的存在である百度のシェアが44%にも達し、2位のヤフーが21%と健闘しているものの、谷歌に至っては13%しかないのだ。市場アナリストは、谷歌が現在の立ち遅れた状況を改善するには市場ルートの開拓に注力すると共に、より中国人の習慣に合った検索製品を開発する必要があるとみている。

谷歌は、全世界の検索エンジン市場でまったく新たな時代を切り開いた「巨頭」である。だが、中国市場でのシェアでは、百度に大きく水を開けられている。谷歌にとっても、中国市場での成功戦略、なかんづくローカライゼーションをいかにうまく行うかという問題は大きなテーマとなっている。裁判ざたにまでして、Microsoftから李開復氏を引き抜いたのも、このためだった。

李開復氏がリーダーシップをとった過去1年を振り返ってみても、谷歌の歩んだ道はそれほど順調ではなかった。真っ先に遭遇したのは「営業許可証」事件。その後、李開復氏の辞任まで噂される事態となった。