Silverlightの本質は、クロスプラットフォーム・クロスブラウザで動作するブラウザプラグインだ。市橋氏によると、Silverlightは「Windows Vistaの上で実現した高度なユーザ体験を、Windowsを離れて、Webを通じて一人でも多くのユーザに享受してもらうための技術」だといい、同社のRIA(Rich "Interactive" Application)というコンセプトを実現するために欠かせないパーツだ。
Silverlightによって実現できる非常に高品質な動画配信や、XAML/.NETフレームワーク/HTML/AjaxなどのWeb標準技術を用いた高度な生産性は、今までのテクノロジーでは実現が難しかったコンテンツや対話性を容易に構築できるようにする。こうしたメリットをクロスプラットフォーム・クロスブラウザで利用できるようにすることで、「(作りたいと)思ったものを思ったとおりに作れ、使いたいと思ったものを(どこでも)すぐに使えるように」なるとして、Silverlightの狙いがはるか高みにあることを強調した。
続いて行われた、マイクロソフト デベロッパービジネス本部 シニアプロダクトマネージャーの春日井 良隆氏によるSilverlightの実例と制作工程の紹介は、なかなかに唸らせられるものであった。
実例としては、高品質な標準ビデオ・コーデック技術「VC-1」をSilverlight上で、フルスクリーンでストリーミング再生する「FOX MOVIES」のデモ、動画をバラバラのパーツに分解したジグソーパズルなどが紹介された。
FOX MOVIESのデモ |
動画を分解したジグソーパズル |
本のページをめくるように、画面を切り替えるデモ |
制作工程の実演では、動画のチャプター作成をあっという間に行ったり、動画に重ねて表示されたチャプターメニューの背景色を簡単な手順で変更してみせた。
Expressionを使用すれば動画コンテンツの作成も容易 |
Silverlightによって再生可能な動画メディアは、高品質で配信が容易なだけではなく、DRMによる著作権保護もサポートしており、不正なコピーなどが行われる心配は皆無だ。