4月15日から18日にかけて、米カリフォルニア州サンフランシスコでWeb 2.0 Expoが開催された。主催はO'Reilly MediaとCMP Technology。登録開始時に両社は参加者を5,000人程度と予想していたが、ふたを開けてみると10,000人以上の参加登録があったそうだ。
サンフランシスコで行われる"Web 2.0"カンファレンスというと、以前はゲームカンファレンスを少しだけ大人にした感じのラフな雰囲気だったが、Web 2.0 Expoはフリース/Tシャツにジーンズではなく、パリッとした身なりの参加者が多い。明らかにビジネスマン風の人も目立った。会場もホテルの会議室ではなく、Intel Developer ForumやMacworldが開催されるモスコーニ・センターの西館である。カルチャーやコンセプトを漠然と現していたWeb 2.0が、ビジネスチャンスとしてより具体的に議論されるようになったのだろう。ただ、いきなり大会場を埋め尽くす盛り上がりに対して警戒感も出ている。性急な変化をバブルと見る人も少なくない。
ウエルカム・スピーチを行ったTim O'Reilly氏は、Web "バブル" 2.0への懸念に対して、「(Web 2.0のバンドワゴンに乗った) 数多くの企業が失敗を経験するだろう」と警鐘を鳴らす。だが同時に、Webの未来に数多くのキラーアプリが登場することを誰もが感じているはずだ、と指摘。PCの歴史に照らし合わせれば、今のWebの成熟度は「VisiCalc (PC初の表計算ソフト)のレベルだ」という。Web 2.0を支えるのは、グローバルネットワークの拡散であり、ユーザーが常にコンピューティングと共にある環境が整備されることで集合知が引き出される。この流れをサポートし、そして活用するアイディアが新たなキラーアプリとなる。「それを実現するための応援団を我々はつとめよう」とO'Reilly氏。
ちなみにO'ReillyとCMPは、秋に東京とベルリンでWeb 2.0 Expoを開催するほか、サンフランシスコでもWeb 2.0 Summit(07年10月17日~19日)という招待制のクローズドなイベントを開催する。