Apache Tomcat 6.0.x安定版リリース
去る3月1日(米国時間)、The Apache Tomcat Teamは「Apache Tomcat 6.0.10」をリリースした。それ以前にも6.0.xというバージョンは公開されていたが、それらは開発版という位置づけであったため、この6.0.10が6系では初の安定版ということになる。
本稿ではApache Tomcat 6.0のインストールやNetBeans/Eclipseでの使用方法を解説する。その上で、新たに対応したServlet 2.5やJSP 2.1などを利用したいくつかのプログラムの例を紹介したい。
Apache Tomcat 6.0.xにおける変更点
まずは、Apache Tomcat 6.0.xにおける主な変更点や、5.x系から移行する際に注意すべき点から見ていこう。
Servlet 2.5およびJSP 2.1のサポート
Tomcat 6.0.x系では新たにServlet 2.5とJSP 2.1がサポートされるようになった。5.5.x系でもServlet/JSPを使用することができたが、サポートされているバージョンはそれぞれ2.4/2.0までだった。一方、昨年5月に正式リリースされたJava EE 5には2.5/2.1が含まれるため、Java EE 5対応のサーブレットコンテナとして稼動させるためには両バージョンへの対応が不可欠だ。
詳しい内容は後述するが、Servlet 2.5ではアノテーションによる設定/コーディングの簡略化や、web.xmlファイルの構文の変更などといった改善が施されている。また、JSP 2.1では式言語として「Unified Expression Language(以下、Unified EL)」がサポートされた。JSP 2.0でも簡易な式言語に対応していたが、Unified ELはさらに汎用的な構文を備えている。加えて、JSP 2.1では、JSFとの整合性をとるための拡張もいくつか組み込まれた。
Tomcat 6.0.xでサポートされているUnified ELのバージョンは2.1である。Unified ELに関する詳細はSun Developer Networkの記事を参照していただきたい。また、Servlet 2.5のサポートにともなって、Tomcat 6.0.xで動作する全てのWebアプリケーションはServlet 2.5のxsdを使用するように変更されている。この点には注意されたい。