最新高性能CPUを搭載しつつ安定性を重視した構成
「SOLUTION-T069-127-UHX」のように「発展型」のPCでは、ベースとなるパフォーマンスも重要だ。CPUはIntelの現行世代である第12世代Core。そのなかでもハイエンドモデルのCore i7-12700を採用している。第12世代Coreは、高性能コアと高効率コアを組み合わせているのが特徴だ。最大クロックが高い高性能コアはシングルスレッド性能に優れ、一方、高効率コアはマルチスレッド性能をアシストする。Core i7-12700では高性能コアが8基、高効率コアが4基、合わせて20スレッドの同時実行が可能だ。
第12世代CoreのなかでもCore i7-12700は、ハイエンドに位置しながら発熱量が控えめである点が特徴だ。例えば、より上位のCore i7-12700KやCore i9-12900Kといったモデルでは、水冷CPUクーラーが推奨されている。一方、控えめな発熱量のCore i7-12700なら、より低コストの空冷CPUクーラーでも対応できる。先述の静音性もあり、無理に性能を追求するのではなく、安定性や運用時の快適さといったバランス重視の選択といえるだろう。
前述の通り、グラフィックスカードは非搭載だ。BTOカスタマイズも提供されていないが、CPUに統合されたiGPU機能「Intel UHD Graphics 770」を利用できるため、購入時のままでPCとして問題なく使用できる。
しかし、これは拡張性を重視した、必要な方が自ら追加していくスタイルとなっている。例えば、写真や映像などGPUアクセラレーションが必要な業務では、iGPUの機能を利用するか、より強力なグラフィックスカードを搭載するかといった選択が可能だ。
グラフィックスカード用にはPCI Express 5.0 x16スロットを利用できる。本製品がハイエンド向けなのは、マザーボードのチップセットにIntel Z690を採用している点にある。
コスト重視であればIntel H670やB660チップセットといった選択肢もあるが、高コストなIntel Z690チップセットを採用しているということは、現行世代PCのフル機能を活用したい方向けの製品といえる。このほかにも一般的な拡張カード向けには、PCI Express 3.0 x4スロット×1基、PCI Express 3.0 x1スロットが3基利用できるほか、システム用SSDに加えてもう1基、PCI Express 4.0 x4対応のM.2スロット×1基の空きがある。
メモリはPC4-25600 DDR4 SDRAMを採用しており、8GBモジュール×2枚で計16GBを搭載している。速度規格はCPUがサポートする最大速度であり、容量も標準搭載量として十分マルチタスクに活用できるスペックだ。本製品の利点として、メモリのカスタマイズが32GB~最大128GBまで選択でき、さらにスタンダードメモリと、より耐久性の高い国産メモリも用意されている。
ストレージはM.2 SSDで、PCI Express接続かつNVMe対応だ。容量は500GB。SSDは運用上、常に容量に十分な空きスペースを用意することでパフォーマンスを引き出せる。500GBだと、たとえビジネス用途でも最低容量のイメージだ。もちろんすべてをここに保存せず、セカンダリ以降のドライブや、ネットワークドライブを活用することで、うまく運用することが可能だ。
セカンダリ以降のカスタマイズについても本製品は独特だ。2ndドライブはM.2用で500GB/1TB/2TBのオプションを用意。3rd、4thはSerial ATA接続のSSD/HDDが用意されている。BTOカスタマイズで最大4台のストレージを選べるため、容量の要求ニーズが高い業種の方でも安心な製品といえるだろう。
このように本製品の標準構成は、3Dグラフィックスを除けば強力で、購入後に業務に必要なストレージ、インタフェースカードなどを搭載した際でも、それらの性能を引き出せるだけのスペックを備えている。もちろんハイエンドCPUに十分なメモリ搭載量なので、普段の処理性能も高い。そこで次項では、そのあたりを「PCMark 10」「CINEBENCH R23」「CrystalDiskMark」といったベンチマークソフトで数値化してみた。