安定性重視の伝統的スタイルの筐体に最新インタフェースを搭載
「SOLUTION-T069-127-UHX」のケースは、安定した長時間駆動を実現するために、PC内部の温度上昇を抑える設計を採用している。フロントパネルは通気性のいいメッシュデザイン。上から下へと見ていくと、まず先述のとおり、5インチベイ×3基、3.5インチベイ×1基がある。CD/DVDのデュプリケートやUSB端子を追加するようなフロントベイ機器を装着すれば、メディアの配布といった業務も効率よく行える。
その下にあるのがフロントインタフェースだ。USB 3.0(5Gbps)×2基に、オーディオ出力(ヘッドホン)、オーディオ入力(マイク)が搭載されている。さらに下、SOLUTION∞ロゴの左右にあるのが電源ボタン(右)とリセットボタン(左)だ。リセットボタンも、昨今のPCでは非搭載のものが増えているが、しっかり搭載しているところはさすがビジネスモデルといえる。
背面は、上から電源搭載スペース、その下にバックパネル(左)と背面ファン(右)、さらに下には拡張スロットスペースがある。ケースファンはこの背面にある1基のみだが、12cm角の大きめサイズだ。通気性のいいフロントパネルから外気を取り込み、低回転でも十分な風量を得られる大口径ファンによって排出される。
バックパネルのインタフェースは、映像出力端子がHDMI、DisplayPortの2系統あり、現行USB規格ではもっとも速い20GbpsのUSB 3.2 Type-Cを搭載しているのも特徴。また、LANは2.5GbEに対応している。まだ多くの事業所は1GbE(1000BASE-T)が一般的だろう。本製品が搭載する2.5GbEは、1GbEと互換性があるため、既存の1GbE環境にそのまま接続できる。そのうえで、将来的に社内のネットワーク機器が2.5GbE対応品に置き換わった時点で、そのまま2.5Gbpsの通信が可能になる。
左右の側面はほぼフラット。右側面にマザーボード裏の熱を排気するスリットが用意されているくらいだ。トラディショナルな設計であり、内部シャドーベイも豊富なので奥行きも長めだ。側面板は2つのネジと、ラッチという2重のロックで固定されている。
大きなATXミドルタワー筐体を採用しつつ、グラフィックスカード非搭載のシンプルな標準構成のため、内部は非常にシンプル。これを見ただけでも拡張性の高さが想像できる。十分なスペースがあるため、購入後に機器を追加搭載していく場合も作業効率がいい。
内部で特徴的なのが、CPUクーラーだ。リテール販売されているIntel CPUに標準で付属する小型のCPUクーラーではなく、大型のヒートシンクに12cm角ファンを搭載する、サイドフロー型CPUクーラーが採用されている。大型であるため冷却性能に優れ、安定してCPUの性能を引き出してくれるのがまず1つ。
ほかにも、口径の大きなファンなら、小さなファンと比べて低回転でも必要な風量を得ることができる。通気性がよく、言い換えれば内部の音が外部に抜けやすいケースでありながら、動作音が小さく優れた静音性を実現している。負荷が小さな軽作業時は、よく耳を澄まさなければ動作していることに気づかないほどだった。静かで落ち着いたオフィスや自宅でのリモートワークなどで使用するケースでは、製品選びの際のポイントになるだろう。