では、G-Tune EP-Zの内部やスペックについて詳しく見ていこう。CPUは第10世代Coreプロセッサーで8コア16スレッドの「Core i7-10700K」を、ビデオカードは最新Ampereアーキテクチャーを採用したフラッグシップGPU「GeForce RTX 3080」を採用している。もっとコア数の多いCPUも存在するのは確かだが、今のPCゲームでは8コア16スレッドのCPUは価格性能比のスイートスポットに位置する。Core i7-10700Kはパワーが高い分、発熱量も多いCPUだが、AIO水冷ユニットで強烈に冷やされるため、昨今のCPU負荷の高いゲームを動かしてもCPU温度は全く問題ない。
ストレージは、OSとアプリケーション(C:ドライブ)が1TBのNVMe M.2 SSD、そのほかのデータ保存やバックアップ用に2TBのSSDが組み込まれていた。特にSSDの容量はコストダウンのために500GBクラスを採用するPCも多い。しかし、今や1本250GB近く消費するゲームもあることを考えれば、1TB標準は安心して使える仕様といえるだろう。さらに、前面にはDVDスーパーマルチドライブも搭載されており、ユーザーの使い勝手を狭めない配慮も行き届いている。欲をいえば、DVDスーパーマルチではなくBDドライブに交換するBTOオプションも欲しかったところだ。ただ、外付けであれば9800円でBTOも可能なので欲しい方はカスタマイズすることをおすすめする。
最後に電源ユニットのチョイスについて語っておきたい。今回の試用機はサイドパネルがスモークの強化ガラスになっていたり、ケースファン類がLEDで光る仕様になっていたりするが、これはほとんど性能に影響しない(サイドパネルは標準構成のスチールのほうが若干通気性が良い)。ただ今回の試用機で注意したいのは、電源ユニットが800W(80PLUS TITANIUM)から1200W(80PLUS GOLD)に変更されている点だ。筆者もさまざまなシステムでRTX 3080をテストしてきたが、RTX 3080単体で平均320W、瞬間最大では360W近くまで電力を消費するため、運用するには電源ユニットの出力や安定性がキモとなる。ただ、Core i7-10700KクラスのCPUであれば、標準構成の800Wで十分余裕を持って運用することができる。
試用機で「OCCT Pro」のPower Supplyテストを行って、CPUもGPUも限界まで回してみた。そのときのシステム全体の消費電力は、最初の1分足らず(Core i7-10700KのTurbo Time Parameter:Tauの限界)では620W台前半、その後(Core i7-10700Kのブーストが落ちたあと)で515~535Wなので、800W電源でも全く問題なく養うことができる。ただ電源出力の余裕は心の余裕という考え方も理解できるので、よりヘビーに長期間使いたければ、1200W電源のBTOオプションを選ぶことをオススメしたい。差額は7,800円と非常にリーズナブルなのも◎だ。