Core i7-9700KとRTX 2080 SUPERを搭載:「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」
「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」は今回の3機種の中で最も高性能なモデルだ。そして特別なMASTERPIECE筐体は大型で内部にゆとりがあり、冷却、静音性などでもトップに輝く。
CPUはIntel Core i7-9700K。LGA1151のCoreプロセッサにはCore i9/7/5/3とあるが、最上位となる8コア16スレッドのCore i9ではなく、8コア8スレッドのCore i7を選んでいるのがシブいところ。ゲームにおいてはこれで十分という考えだ。定格クロックは3.6GHz、ターボブースト時は4.9GHzと十分に高クロックである。
CPUのコア数は回路がいくつあるのかという数え方。CPUスペックで語られるスレッド数は同時に処理を行えるスレッドの数を意味する。上位のCore i9などでは1つの回路をより効率的に利用する「Simultaneous Multithreading:SMT」、インテルではハイパースレッディングと呼ぶ機能が有効になり、同じ8コアでも16スレッドの同時実行に対応している。Core i7-9700Kの場合はこれに対応していないため、スレッド数がコア数と同じ8。しかし、スレッド数が倍だから性能も倍というわけではない。SMTが効くアプリケーション、あまり効かないアプリケーションがあるのだ。ゲームを単独で楽しむ場合は、SMT対応よりも実コア数のほうが重要といわれる。その意味でゲームに特化し予算を抑える、いい選択といえるだろう。
GPUはNVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER。
GeForce RTX 20シリーズは、現在GeForce RTX 2080 Tiが最上位で、GeForce RTX 2080 SUPERはこれに続くモデルだ。なお、GeForce RTX 2080 SUPERは以前のGeForce RTX 2080のパワーアップ版という位置づけだ。GeForce RTX 2080 SUPERのCUDAコア数は3072基、メモリはGDDR6で8GB搭載し、GeForce RTX 2080よりもCUDAコアが多く、実は動作クロックも引き上げられているのがポイントだ。
MASTERPIECEシリーズの筐体は、最上位だけあって高級感のある重厚なデザインが魅力だ。フロントパネルは光沢のあるダーククロム強化ガラス。そして縦に入った赤いライン部分にインタフェースや光学ドライブをレイアウトしている。
フォームファクタはATXだが、ミドルタワーと呼ばれる一般的なケースサイズよりもひと回り大きい。大きいということは内部スペースにも余裕があり、メンテナンス性にも優れている。同時に、本製品の特徴は静音性の高さだ。
CPUクーラーは自作PCでよく好まれるサイドフロー型のものを採用。CPUに付属するタイプのものと比べてファンの口径が大きく、より低回転で同じ風量を生み出すことができるので、より静かだ。
筐体内でエアフローを遮る構造も少なく、風切り音も抑えられている。ゲームのプレイ中、ヘッドホンをしなければゲーム内の音を楽しめないことはゲーミングPCでよくあるが、本製品は通常のスピーカーでも大丈夫だし、寝静まった夜に稼働していても家族に迷惑をかけることがない。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | MASTERPIECE i1640PA3-SMM |
CPU | Intel Core i7-9700K |
メモリ | 32GB PC4-19200 DDR4 |
M.2 SSD | 512GB(NVMe対応) |
HDD | 3TB |
チップセット | Intel Z390 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.1 Type-C×1(背面)、USB 3.1 Type-A×1(背面)、 USB 3.0×6(前面×2、背面×4) USB 2.0×2(前面×2) |
サイズ | W215×D490×H501mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 299,800円(税別) |
Core i7-9700KとRTX 2070 SUPERを搭載「NEXTGEAR i690GA5」
「NEXTGEAR i690GA5」はCPUが「MASTERPIECE i1640PA3-SMM」と同じIntel Core i7-9700K、GPUはNVIDIA GeForce RTX 2070 SUPERを搭載している。
CPUのCore i7-9700Kについては先に紹介した通り。ゲームにおいてコストバランスのいいスペックのCPUだ。
GPUのGeForce RTX 2070 SUPERは、GPUの基本設計という点ではGeForce RTX 2080 SUPERと同じもので、CUDAコア数を2560基に抑えたバリエーションモデルだ。
GPUクロックもメモリクロックも、GeForce RTX 2080 SUPERと比べると少しだけ低い。代わりにお求めやすい価格になるという図式だ。なお、GeForce RTX 2070 SUPERの旧モデルはGeForce RTX 2070。GeForce RTX 2070はの時は基本設計がRTX 2080用も1つ下のグレードのGPUが積まれていたので、気分的にもお得感が増した。
NEXTGEARシリーズとなるため、先のMASTERPIECEとは異なる筐体だ。NEXTGEARはG-TuneのゲーミングPCの中でもスタンダード製品といえる。その設計では、国内ゲーマーにアンケートを行い、そのうえでデザインや機能を選んでいるため使い勝手がよく、ハデさを抑えた外観が好感度高めだ。
フォームファクタはATXで、MASTERPIECEよりもコンパクトなミドルタワーだ。電源をマザーボードの上に配置し、そこをカバーで覆うことで内部の見た目がスッキリとしており、同時に発熱部を分離、個別に冷却することを可能としている。つまり、冷却効率がいい。もちろん、GeForce RTX 2070 SUPERのようなハイエンドグラフィックスカードを搭載しても余裕があり、簡易水冷のようにより優れた冷却システムを搭載するBTOにも対応できる設計だ。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | NEXTGEAR i690GA5 |
CPU | Intel Core i7-9700K |
メモリ | 16GB PC4-19200 DDR4 |
M.2 SSD | 256GB(NVMe対応) |
HDD | 1TB |
チップセット | Intel Z390 |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.1 Type-C×1(背面)、USB 3.1 Type-A×1(背面)、 USB 3.0×8(上面×4、背面×4) |
サイズ | W210×D520.5~524.2×H435mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 169,800円(税別) |
Core i7-9700FとRTX 2060 SUPERを搭載する「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」
「NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM」は、ミニタワー筐体モデルで、机の上など、どこにでも置けるコンパクトさが魅力だ。CPUはIntel Core i7-9700F、GPUはGeForce RTX 2060 SUPERを搭載している。
CPUのCore i7-9700は、先ほど紹介した9700Kと似た型番だが少し異なる。Core i7-9700Kと比べると動作クロックが若干低く抑えられ、代わりに発熱量が少なくなっている。
動作クロックに関しては、定格が3GHz、ターボブースト時が4.7GHz。9700Kと比べて、ターボ時は200MHz差なので低い印象を受けにくいが、定格時の3GHzは600MHzも違うので、多少なりともパフォーマンスに差が出るところだ。発熱量はTDPという値が参考になるが、Core i7-9700Kが95Wなのに対してCore i7-9700は65Wなので30W程度、発熱が少ないイメージだ。小型のMICROモデルにふさわしいCPUといえるだろう。
GPUのGeForce RTX 2060 SUPERは、GeForce RTX 2070 SUPERの1つ下のグレードのGPUを積んでおり、CUDAコア数も2176基とやや少なめ。ただ、メモリに関しては8GBのGDDR6という点で上位のGPUと同様だ。
GeForce RTX 2060 SUPERの旧モデルGeForce RTX 2060はメモリが6GBのGDDR6で、高画質を狙う際にメモリ容量不足となることもあった。もちろん、RTX 2060からはCUDAコア数も増加しており、かつメモリが増量されたことで、パフォーマンスは確実に向上している。
NEXTGEAR-MICROの筐体は、NEXTGEARをベースのデザインとし、MicroATXのミニタワーサイズに小型化したものになる。
筐体サイズの幅は188.8mm、奥行きは410.5mm、高さは400mmだ。もちろん拡張性という点ではATXミドルタワーモデルよりも制限されるが、グラフィックスカード+1枚が可能で、USB接続の周辺機器が豊富な現在であれば、どちらを使うかよく検討すればそう困る場面に出会うことはないだろう。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
型番 | NEXTGEAR-MICRO im610SA5-SMM |
CPU | Intel Core i7-9700 |
メモリ | 16GB PC4-19200 DDR4 |
M.2 SSD | 512GB(NVMe対応) |
チップセット | Intel B360 |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | ギガビット(10/100/1000)LAN |
インタフェース | USB 3.1×4(背面)、USB 3.0×2(前面×2) USB 2.0×2(背面×2) |
サイズ | W188.8×D396~410.5×H400mm |
ディスプレイ | - |
価格 | 169,800円(税別) |
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このように、今回3モデルとも異なる筐体で、スペック表の通りストレージやチップセット、インタフェースなどにもいくらかの違いがある。ストレージに関してはBTOで変更ができるためあまり問題にはならず、チップセットもオーバークロックで遊ぶなどのクァッタ使い方をしなければ問題ないだろう。インタフェースも、基本的なものは十分なポート数を搭載しているので、どうしてもType-Cが欲しいとった強い思いがあれば別だが、通常はそれほど使い勝手に違いはない。
とはいえ、やはりゲームにおいてもっとも重要なのはグラフィックスカード。ゲーミングPCの購入を検討している方は、ぜひこの記事のグラフィックスカードのテストを参考に自分に適した製品を購入してほしい。
※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。
価格・構成については、2019/11/7(記事作成日)現在の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。
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