今やノートPCは3万円程度で買える時代だが、安いものはCPUが廉価版(Celeronなど)であったり、ストレージがHDDのみだったりと、安いなりの理由がある。そしてそうしたPCは、ちょっと凝った作業をしたり、PCゲームに挑戦したいなと思っても、重くてろくに動かない。だが何をやらせても快適なPCとなると、予算は20万円以上になることも珍しくない。
こうしたジレンマは、ノートPCを買うときに誰もが一度は体験するものだ。抜群の性能は必要としないが、画像や動画編集から(軽めの)PCゲームまで幅広く使えて、しかもなるべく安い……そんな都合のいいPCが欲しい人にうってつけなのが、マウスコンピューターの「m-Book K700SN-M2SH2」(以降K700SN)だ。
少し調べれば、15.6インチノートではCore i7搭載でも8万円弱の製品は珍しくもないことがわかる。なぜm-Book K700SN-M2SH2に注目すべきなのか?
それは、安価な15.6インチ級ノートの場合、CPUがコア数の少ないUプロセッサ(Core i7-8550Uあたり)だったり、CPU内蔵(UHDグラフィックス)な製品が多いが、本機は6コア12スレッドのHプロセッサーを装備し、MX250というエントリー向けではあるが、そこそこ強力な外部GPUを載せているからだ。
今回は、果たして10万円台前半の15.6インチノートがどこまで使えるのか、さまざまな角度からチェックしてみたい。
写真で見る「m-Book K700SN-M2SH2」
では外観からチェックしていこう。形状としてはスタンダードなクラムシェル型だが、余計な発光機能や装飾のない、フラットでエッジの効いたデザインが好印象だ。
インタフェースはギガビットLANにHDMI出力、オーディオ系にSDカードスロットなど、一通り備えている。また、USBは右側面にType-Cポートを備えている。(なお、Thunderbolt 3には対応していない)
ひとつ注意したいのはバッテリーだ。背面をほぼバッテリーで専有させ動作時間を稼ぐ設計のものもあるが、K700SNではバッテリーを小型化する代わりに、背面にギガビットLANやHDMIといった"かさばる"端子を配置し、その分USBやカードリーダーを側面に多数配置するという拡張性を重視した設計になっている。
バッテリーの動作時間は公称約7.4時間なので、ちょっと外出先で作業する程度なら問題ないレベルだ。しかしバッテリーの小ささを考えると、モバイルよりは据え置きメインで使う人の製品といえるだろう。
キーボードはごく普通のテンキーありのアイソレーションタイプ。キーピッチは一部狭いものもあるが、主要な文字系は全て18.2mmピッチ(実測値)だ。金型予算を圧縮するために一部キーを合体させた製品が多いが、m-Book K700SN-M2SH2のキーボードはそうした不自然なキーはなく、美しい配置になっている。
ただカーソルキーなどを全て収めるため、右Shiftキーの幅が通常キーの8割程度しかない。右Shiftキーを多用する人は左Shiftキー使いを強く意識する必要があるだろう。この辺はJIS配列キーボードの宿命でもある。