3番目を務めるのは、カメラやデジタルガジェットを長い間担当しているベテラン編集者の磯修。編集部から期待を込めたプレッシャーが背中にのしかかるが、果たして結果は――。
磯 修 |
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ロケできるのが1日しかなかったのですが、川崎大師に行ってきました。その途中に味のあるコインランドリーがあったので。手元にあった広角レンズで撮ってみました。もう少しローキーにしようかと思ったのですが、入り口に近かったので明るくなってしまいました。
これはどの部分を表現したかったのですか?
壁とかが昭和の雰囲気で、天井もはがれかかっていてレトロ感が満載だったので、その辺りをポイントにしています。上から撮るか下から撮るか悩んだんですけど、天井を見せたくてこのアングルにしました。
これってホワイトバランスはオートですか? 今のカメラはすごく性能がいいので、この写真も蛍光灯が白く出ていますけど、あえて太陽光で撮ったりすると緑色に出たりするんですね。手前は外の明かりが入っているのでしょうがないんですけど、奥の方は緑がかった感じになってますます薄暗いというか、薄汚れた感じになるので、その辺もちょっと使ってみるといいと思いますね。
なるほど。
あと、こういった狭いところで奥があるようなところは、個人的にはピントは一番奥に合わせるようにするといいと思います。手前にピントを合わせるとどうしても奥がボケてしまうので。奥にピントを合わせると手前はボケてしまいますが、全体的になんとなくピントが合っている感じがしますね。まぁ、好みがあるので、両方やってもらって選ぶのがいいかと思います。もしくは、手前にもっと寄ってもらって、広角でも奥をもっとぼかす撮り方でもよかったかと思います。でも、雰囲気としては僕も好きですね。
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それに比べてこの体たらくは何ですか。(笑)
(苦笑いしながら)五重塔の手前に木があったので入れてみたものです。
前ボケを入れられているのですが、ちょっと焦点距離が足りなかったのか、この木との距離がありすぎたのか、もっとぼかしたかったのかなというのはありますね。あと、うっすら空に色はありますけど、白すぎて平凡。天気や光線状態にもよりますが、惜しいですよね。パッと見て黄色と赤のコントラストで、そこはいいなと思ったんですけど、これで青空とかあると黄色と赤と青でもっと色鮮やかな感じになったかと思うんですよね。
なるほど……。ちなみに順位は……。
暫定3位です。(笑)
ありがとうございました……。(苦笑)
山﨑先生のワンポイントレッスン
・ホワイトバランスで色味を変える
・ピント位置を変えて撮ることも重要
大トリを飾るのは、マイナビニュース・デジタルジャンル編集部長の阿部 求己。今回は組み写真で山﨑氏に挑む。
阿部 求己 |
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絶景ですね。(笑)
絶景でした。(笑)
最初は曇りというか霧で残念と思っていたのですが、改めて写真を見ると、霧のかかった感じが面白くて作品にしようと思いました。なので、今回セレクトする中でも霧がかかった感じのモヤッとしたものをチョイスしています。テーマは「見えるか見えないか」ですね。
気になるのはこの中でこれだけは異質に見えるんですよね。これだけ人工物が写っていて、他がないので。風景は人工物は入れないで撮るのが基本です。
僕らも鉄道を絡めた風景を撮る場合、人工物を入れないようにしています。まぁ、鉄橋とか、それを言ったら線路自体がそうなんですが(笑)、道路だったり看板だったりは写真に入れないようにします。
あと、縦横混ぜるとなると並び方をかなり考えないと厳しいですね。バランスとかもあるので。この場合はこの2枚で勝負した方がいいですね。
本番は枚数減らしてチャレンジします。(苦笑)
美しくてきれいな風景だけがいいと言う訳ではありません。こちらの方がめったに出会えない風景ですし、写真に味はあります。暫定4位です。(笑)
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実はもう1枚あるんですよ。単品の作品ですがこちらです。
そうでしたか。こちらも拝見いたしますね。
これは、もう少しズームを使ったりして見せたい部分を画面一杯にした方がよかったですね。例えば花が密集しているあたりをドーンと。それと手前の草にもピントが合っている点が気になりますね。人間の目はどうしてもピントが合っている部分と明るい部分に視線が向いてしまうので、見せたい部分以外がクローズアップされるとバシッとこないんですよね。
なるほど。ピントが合っている場所にも気を付けるということですね。
なので、暫定4位変わらずです。(笑)
山﨑先生のワンポイントレッスン
・風景写真には人工物をなるべく入れない
・繰り返しになるが写真は引き算。余計なものを入れない
・ピント位置にも気を付ける
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キヤノンフォトコンテストは規模の大きいコンテストであり、過去の受賞作品も素晴らしいものばかりであるため、応募するのも気が引けてしまうかもしれない。だが、山﨑氏が伝えたかったのは「人に見てもらってこそ写真は上達する」ということ。
マイナビニュースチームも予想通り(?)であるとはいえ、心折れながらも講評から得るものは多く、応募へのモチベーションは間違いなく上がった。
また、機材の良し悪しは写真には関係なく、「コンパクトデジタルカメラでもこんな写真撮ってやったぜ!」と言えるくらいの自信を持って応募してもらいたいと山﨑氏は語ってくれた。自分の心に響く写真が撮れた人は、ぜひともキヤノンフォトコンテストに応募してみよう。アッと驚く結果が待っているかもしれない。
第52回 キヤノンフォトコンテスト概要 | |
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応募期間 | 2018年5月1日(火)~8月31日(金)当日消印有効 |
応募資格 | 日本国内に在住のアマチュアの方に限ります。 |
応募規定 | 35mmサイズ以下の撮像素子のデジタルカメラ、 または35mmサイズ以下のフィルムカメラで撮影された未発表作品に限ります。 |
部門 | ・自由部門(スナップ・ドキュメンタリー※1・イメージクリエイト作品※2など) ・風景部門(自然風景・花など) ・スポーツ部門(スポーツ・モータースポーツなど) ・乗り物部門(鉄道・飛行機・船など) ・生きもの部門(動物・鳥・昆虫・水中生物など) ・ポートレート部門(人物・子どもなど) ・アンダー30部門(応募資格:1987年5月1日以降生まれの方) |
審査員 | ・自由部門:野町和嘉 ・風景部門:中西敏貴 ・スポーツ部門:田口有史 ・乗り物部門:山﨑友也 ・生きもの部門:古見きゅう ・ポートレート部門:沼田早苗 ・アンダー30部門:本城直季 |
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