カードの大きさは2種類
SDカードには容量により3つの規格があることを紹介したが、実はサイズにも2つの種類がある。基準となるのが、ほぼ切手大の「SDカード」だ。
その後、2005年に登場した「microSD」カードは、SDカードの4分の1程度という極小サイズのメモリカードで、現在はデジタルカメラやスマートフォンなどを中心に、ほとんどの機器がこのmicroSDカード規格をサポートしていると言っていい。
microSDカードは、いずれも専用のアダプタを介することでSDカードとして利用できる。
ちなみに、過去にはSDカードの半分程度の大きさの「miniSDカード」も存在した。これは主にスマートフォン登場前の携帯電話でよく使われた規格で、デジタルカメラなどでも採用されたことがあるが、現在では製造が終了しており、すでに使用できる機器は販売されていない。
速度にも規格が
SDカードを製造しているメーカーは多数あり、価格の幅も大きいことから、カードの品質や性能にもある程度の幅がある。中には安価で質の低いメモリチップを使っており、データを保存する機器側の要求する性能に達しておらず、正しく保存できないということも起きる。やり直しがきくファイルの保存程度であればいいが、ビデオの撮影であれば悲劇だ。
そこで、書き込み速度について、最低速度を保証することで安心して利用できるよう、サポートする速度を表す規格もできた。これが「スピードクラス」で、SDHCの規格策定時に定められた(SDカードではCD-ROMドライブの転送速度を1として「x倍速」という表記が独自に行われていた)。
スピードクラスには、パッケージのSDXCロゴに隣接するかたちで記載されており、数字がアルファベットの「C」に囲まれている「SDスピードクラス」と、数字がアルファベットの「U」の時に囲まれている「UHSスピードクラス」、さらに最近ではアルファベットの「V」に隣接して数字が書かれている「ビデオスピードクラス」の3種類ある。
数字はSDスピードクラスとビデオスピードクラスの場合、最低処理速度をMB/秒で表したもので、SDスピードクラス2であれば2MB/秒、10であれば10MB/秒となる。UHSスピードクラスの場合は、数字は最低処理速度の10の桁の数字を表すため、スピードクラス1であれば10MB/秒、3であれば30MB/秒を表す。さらに言えば、UHSスピードクラスにはバス速度(バスとはデータをが通る回路のこと)の違いにより、「UHS-I」と「UHS-II」「UHS-III」の3種類があるが、UHS-IIIは今の所製品が登場していない。現時点ではUHS-I対応の製品が大半なので、これがわかっていれば大丈夫だ。
メモリカードを買うときは、機器側が要求する速度(取扱説明書などに記載されている)を確認し、対応する速度以上の性能のカードを購入するようにしよう。スピードクラスも下位互換性があるので、より高速なものを利用すれば安心だ。