デジカメやデジタルビデオ、さらにAndroidスマホやタブレットのストレージとして広く使われている「SDメモリカード」。最近はコンビニなどでも容易に手に入るようになり、値段もだいぶ安くなっている。どれを買っても同じような気がするSDカードだが、実は性能に大きな差があることをご存知だろうか。容量、性能ともに優れたSDカードを選び、快適なデジタルライフを送ろう。

SDカードは容量により3種類の規格が

デジタルカメラやデジタルビデオ、あるいはスマートフォン、ゲーム機、ビデオレコーダーなど、さまざまな機器の間でデータを記録したり、データを交換するのに使われる「メモリカード」。以前はさまざまな規格が乱立していたが、最近は一部のプロ向け機器や携帯ゲーム機を除き、ほとんどが「SDメモリカード」規格に統一されている。

  • SDカードはデジタルカメラやビデオカメラの撮影や撮影した写真、動画の記録に欠かせない。最近ではSDカード規格が最も一般的で、様々な機器で使用されている

ただし、SDメモリカードとひとくちに言っても、実は容量により3つの種類があることをご存知だろうか。「SDメモリカード」は、1999年に最初の規格が発表された。最大容量は2GBで、当時としては破格の大容量だったのだが、今となっては非常に小さく感じられるだろう。その後、2006年に最大容量を32GBに拡張した「SDHC」規格が、さらに2009年に64GB以上(最大2TB)をサポートする「SDXC」規格が登場して現在に至っている。

規格が次々に更新されたのは、カメラの高画素化などで肥大化し続けるデータ容量と、それに伴い大容量化が望まれた結果なのだ。

  • SD規格と容量の関係

メモリカードの容量が大きければ、単純にそれだけ多くのデータを保存できる。デジタルカメラの場合であれば、仮に2,000万画素クラスの写真であれば、画質の設定や撮影した写真の内容にもよるが、1枚あたり10MB前後になる。2GBのカードでは200枚前後しか記録できないが、16GBなら1,600枚、64GBなら6,000枚以上保存できる。

同様にデジタルビデオの場合、フルHD撮影なら1GBで10分程度、4K撮影なら1GBで2~3分しか撮影できない。特に4K動画の場合、64GBでも1時間程度しか撮影できないので、旅行やイベントなどで長時間撮影したい場合は、できるだけ大きな容量のカードが必要だ。

またAndroidスマートフォンの場合、内蔵メモリ(フラッシュROM)の容量が32〜64GB程度の機種がほとんどで、少しサイズの大きなゲームアプリなどをインストールすると、すぐに容量がいっぱいになってしまう。写真や音楽などのデータをSDカード側に保存する設定にすれば、本体側のメモリを節約できるので、快適に利用できる。機種変更した場合でも、SDカードを差し替えれば、データはすぐに移行可能だ。このように、大容量のSDカードは快適なデジタルライフに欠かせない存在なのだ。

規格がいくつもあると、互換性が心配になってくるが、SDカードには下位互換性があるため、SDXCに対応した機器であればSDHCやSDカードを、SDHCに対応したカードであればSDカードも利用できる。ただしSDカードのみ対応した機器や、SDHCカードまで対応機器は、より新しい規格のカードを利用できない場合がある(自分の機器がサポートしている容量で、カードをフォーマットしなおせば使える場合がある)。現在販売されている機器であればほとんどがSDHC以上をサポートしているが、携帯ゲーム機などでSDXCに対応していない機器があるので注意したい。