ポートレートモードも超進化でもっと人を撮りたくなる

続いて人物撮影を試してみた。下の2枚は、通常撮影と3倍ズームで撮影したもの。通常撮影ではカジュアルなスナップ的な雰囲気を、3倍ズームでは落ち着きのあるポートレートのようなイメージをそれぞれ狙ってみた。同じ人物ながら、顔と体、手足のバランスが違ったように写っていることが分かるはず。これもトリプルレンズならではの表現力の豊かさといっていい。

  • 1倍(27mm相当)

  • 3倍(81mm相当)

機能としては、アパーチャ(モード)とポートレート(モード)が役立った。アパーチャ(モード)とは、2つのレンズで取得した測距情報を元に、ピントの位置やボケ具合を撮影時/撮影後に調整できる機能のこと。ボケの度合いは、画面下段に表示される絞りレベルのバーを動かして細かく調整できる。背景をぼかすことでピントを合わせた人物のみが浮かび上がり、その表情や佇まいをいっそう際立たせることができた。

  • アパーチャ(モード

一方ポートレート(モード)では、背景ぼかしの効果に加えて、人肌をより滑らかに表現する「ビューティレベル」の効果や、光を当てたように写真を補正する「3Dライティング」の効果を適用できる。3Dライティングは、周辺を暗く落とす「ステージライティング」のほか、「ソフトライティング」「バタフライライティング」「スプリットライティング」「クラシックライティング」の計5種類が用意。好みに応じて使い分けられる。これらの効果はリアルタイムで反映するので、補正状態を目で確認しながら撮影できる点も便利。撮った相手に喜んでもらえるポートレートにするには絶好の機能といえるだろう。

  • 通常撮影

  • ポートレート(モード)。背景がぼけて人物が浮かび上がり、さらに肌はより明るく、よりソフトなイメージに自動補正されている

  • ライティング効果の設定画面

さらに、AIによる被写体の認識機能も面白い。これは「ポートレート」や「フード」「猫」「夜景」「文字」といった19種類の被写体をカメラが判別し、その被写体に応じて各種の設定を自動的に最適化してくれる機能のこと。例えば「フード」ならより鮮やかで見栄えのする色合いになり、「文字」ならよりくっきりとした写りになる。たとえビギナーであっても、ワンランク上の撮影が気軽に楽しめるはずだ。

  • AI機能では、認識された被写体やシーンが画面上にテキストで表示。ここでは「クローズアップ」だと認識された。もちろん不要な場合はオフにもできる

  • AI機能を使って撮影。この機能をオンにしておけば、カメラの細かい設定を気にすることなく、構図や被写体に気持ちを集中できるのがありがたい


  • 果物にカメラを向けるとAIが「フード」と認識。彩度が高くなり、果物がより新鮮に写る

  • 押すだけのフルオート撮影ながら、AI機能によって、シズル感のあるみずみずしいフードフォトに仕上がった

使用感としては、きびきびと反応する操作レスポンスの速さが気に入った。特にオートフォーカスは快適。こうしたポートレート撮影では、目まぐるしく変化する相手の表情をきちんと見極める必要があるが、HUAWEI P20 Proのオートフォーカスはスムーズに作動。ほとんどのカットを狙いどおりのタイミングで撮ることができた。

  • 画像処理は非常にスピーディであり、動いている被写体に対しても背景ぼかしを適用することが可能だ

  • 背景ぼかし効果は、複数のレンズによる画像処理なので、ボケの形状が美しいことも特長だ。この写真では、背景に自然な丸ボケが生じ、奥行きの表現が際立った

  • 背景をぼかしつつ、肌は滑らかに、目やまつ毛はくっきりと表現。シャッターを押すだけで、ここまででの写りが得られるのはお見事だ

  • 2,400万画素のインカメラによる自撮りも試してみた。ライティングは「ソフトライティング」に、ビューティーレベルは「7」に設定。ポートレートモードはインカメラでも楽しめる

  • インカメラで撮影。AFや顔認識がスピーディなので、動きのあるシーンも撮りやすい

  • パーフェクトセルフィー機能の設定画面。美肌のほか、クマ除去や小顔効果なども設定できる

  • 通常撮影

  • ビューティーエフェクトを適用。肌が滑らかになったほか、目の下のクマやシミが目立たなくなった