●4000万画素超のRAWデータも快適に現像できる
――写真愛好家のなかには、プロカメラマンである諏訪さんの実際の作業環境に興味がある人も多いと思います。そこで、ふだんの仕事の中で「DAIV-NG7500」をどのように活用しているのか教えてください。
「DAIV-NG7500」が活躍するのは、まず撮影後のデータのバックアップ用途です。屋外ロケの際、車の中やホテルに戻ってから、その日の撮影データを素早くバックアップするのに役立っています。
――普段撮影される写真のデータは、どのくらいの量をバックアップしているのでしょうか?
用途に応じて複数のカメラを使い分けていますが、最近使うことが多い写真は、画素数が4240万画素、非圧縮RAWデータで1枚のファイル容量は80MB以上。撮影枚数は被写体によってまちまちですが、多いときは1回の撮影で、128GBのSDカードがいっぱいになることも少なくありません。
一般的に128GB分の撮影データをパソコンにコピーするには結構な時間がかかり、多くのカメラマンにとって悩みのタネのはずです。しかし「DAIV-NG7500」なら、UHS-II対応の高速カードリーダーを備え、USBについてもThunderbolt3と共用のUSB 3.1ポートを搭載していますので、バックアップ作業にストレスは感じません。ノートPCのインタフェースとして、現状で得られる最速レベルといっていいでしょう。
――たしかに、わたしもカメラマンなのでよくわかります。撮影時に「DAIV-NG7500」を使うこともありますか?
スタジオの場合、カメラと「DAIV-NG7500」をケーブルで直結して行うテザー撮影用に役立っています。スタジオの備品としてパソコンが用意されていることもありますが、自前の「DAIV-NG7500」のほうがスピーディで快適なので、必ず持ち込んでいます。
そして、テザー撮影用のソフトには「Capture One Pro」を使用し、色や明るさに補正を加えて即座にプレビューできるように設定しています。撮影したRAWデータのそのままではなく、クライアントに対して、ある程度まで追い込んだ状態で見せる必要があるからです。そんな処理にも当然マシンパワーが欠かせませんが、「DAIV-NG7500」なら何ら問題はありません。
――RAW現像の作業手順を教えてください。
RAW現像やフォトレタッチには主にPhotoshopを使っています。まずCamera RAWで撮影データを開き、自作したカメラプロファイルやレンズプロファイルを適用したうえで、色や階調などの補正を加えていきます。現在のCamera RAWは部分補正などの細かい処理もできますので、出来る限りCamera RAWで処理を加えるようにしています。そして、スマートオブジェクトとしてAdobe RGBまたはProPhoto RGBの16ビットデータに書き出します。
さらに補正を進め、スマートフィルターやレイヤーを重ねていくと、最終的には写真1枚の容量は2GBを超え、PSD形式では保存できない、ビッグドキュメント形式(PSB)になります。これくらいの大容量になると、たとえデスクトップ機でもぴゅんぴゅんと動くマシンはほとんどありませんが、「DAIV-NG7500」の場合、今あるノートPCとしては、かなり快適なレベルといえます。
――フォトレタッチの使用感はどうですか?
具体的な例を挙げると、覆い焼きや焼き込みといったPhotoshopのブラシ系ツールを使った場合、遅いマシンでは処理が追いつかず、ブラシをなぞった後から、徐々に効果が加わっていきます。しかし「DAIV-NG7500」なら、ブラシの動きに沿ってリアルタイムで効果を確認しながら適用できます。Photoshopユーザーならわかると思いますが、この差は非常に大きいです。
――なるほど。ほかにはどんな用途で使っていますか?
Photoshopなどのレクチャーの際には、外部モニター出力が役立っています。最近は4Kプロジェクターで出力できる会場も増えていますが、「DAIV-NG7500」ならグラフィックス性能にパワーがあるため、複数の4Kモニターにも余裕で出力ができます。