妥協なきハイパワーのフラッグシップモデル
マウスコンピューターはゲーマー向けにパーツを厳選したゲーミングPCブランド「G-Tune」を発売している。「MASTERPIECE」はその中でもフラッグシップを飾る最上位シリーズだ。
MASTERPIECEのi1620シリーズは、マザーボードにIntelのZ270チップセットを搭載し、CPUには4コア/8スレッドのIntel Core i7-7700Kを採用するモデル。ゲーミングPCのキモであるGPUにはNVIDIAのGeForce GTX 10シリーズを搭載しており、GPUのグレードとメモリの搭載量により、ミドル~ハイエンドの4モデルが用意される。
今回おすすめする「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」は、GPUに最新のGeForce GTX 1080 Tiを採用し、メモリも32GB搭載するモンスター級のハイエンドモデルとなっている。
ケースはシンプルなミドルタワー型ケースだが、黒を基調に赤いアクセントが映える、ゲーミングPCらしいパワーに満ちたデザインだ。フロントにはダーククロムの強化ガラスが貼られており、アクセントの赤い部分はヘアライン加工されたアルミパネルを採用。ミドルタワーケースというと、どうしてもいかにもPC然とした無骨なデザインのものが多いのだが、MASTERPIECEシリーズはデザイン面でもこだわりの感じられる高いクオリティを保っている。
ストレージはシステムやアプリのインストール用に480GBのSSDを、データ保存用に3TBのHDDを搭載しており、パフォーマンス的には申し分ない。正直なところ、Microsoft Office程度のアプリに使うにはオーバースペックも甚だしいレベルで、たとえばフルHDの動画ファイルを「Adobe Premiere Pro CC」で同時に数本重ねて編集しても、サクサク快適に作業できるほどだ。
また、GPUにGeForce GTX 10シリーズの最上位モデルであるGTX 1080 Tiを搭載しているため、肝心のゲームについても、海外の最新FPSなど、極端に負荷の高いタイトルでない限り、ほとんどのゲームで最高設定にしても十分快適に遊べるはず。これより上を目指すとなると、NVIDIAのGeForce GTXグラフィックカードを複数接続する「SLI」を使うしかない。
近年話題のVRコンテンツは、再生にかなりのマシンパワーとグラフィックパワーを要求するが、これもGTX 1080 Tiなら快適に表示できる。「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」ほどのマシンリソースがあれば、個人的にゲームをプレイするだけでなく、3DゲームやVRの開発環境用としても十分通用する。3DゲームやVRのクリエイターや開発者の中には、在宅での作業やテレワーカーとして活躍している人もいるだろう。仕事からプライベートまで、「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」ほど頼もしい存在はないはずだ。
ディスプレイについては、今回はリリースされたばかり(9月26日販売開始)のiiyamaブランドの4Kディスプレイ「ProLite B2875UHSU」をチョイスした。「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」のBTOでも選択できるディスプレイで、28型ながら4K(3,840×2,160)の表示に対応しており、HDMI 2.0やDisplayPortで接続すれば、リフレッシュレートも60Hzと高速。さらに、DVI-D24ピン端子、D-subミニ15ピン端子の入力を装備し、合計4系統の入力が可能だ。またピクセル書き換えの応答速度も1msと高速で、ゲームモードも搭載。デザイン的にもMASTERPIECEシリーズとの組み合わせに違和感なく、まさにゲーミングPCのためにあるようなディスプレイだ。
ユニークな機能としては、複数の入力ソースの画面を、画面を分割して表示する「Picture By Picture」機能と、画面内に小さな窓で別の画面を表示する「Picture In Picture」機能をサポートしており、複数のPCやゲーム機などを同時に表示できる。また、充電機能の付いたUSB 3.0ポートを備えているため、スマートフォンやタブレットなどを充電する際にも、目の前のディスプレイから充電できるのは便利だ。また、デジタル入力とアナログ映像入力に対応しているほか、入力ケーブルも標準で同梱される。まさに至れり尽くせりのディスプレイというわけだ。
「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」に加え、「MB-C250E2」を接続した「Picture In Picture」機能の様子。右上が「MB-C250E2」の画面となる。ウィンドウの大きさや位置も変更可能 |
非の打ち所がない高パフォーマンスを発揮
実際に「MASTERPIECE i1620PA1-SP2」のパフォーマンスを計測してみよう。他の2機種と同様に、Windowsの快適さを評価するプログラム「Windowsエクスペリエンス インデックス」を使ってベンチマークテストを行った。
「Windowsエクスペリエンス インデックス」の実行結果は、基準となる「一番低いサブスコア」が「プライマリハードディスク」の「8.2」、その他が「プロセッサー」と「メモリ」の「8.6」、グラフィックスの「9.9」と、いずれの項目も非常に高い数字が叩き出されている(ちなみに、最高スコアは10)。基準値が4あれば十分快適な操作が行える目安になるため、いうまでもなくOSの操作レベルは超快適だ。
世界的に有名なRPGのベンチも試してみたが、標準設定の「高品質(ノートPC)」でフルHDの設定で「20613(非常に快適)」、フルHDにして「高品質(デスクトップPC)」にしても「17644」と、まさに桁違い。画面描画も非常に滑らかだ。今回は4Kディスプレイと組み合わせたので、カスタマイズで4K解像度も試してみたが、こちらも「8470(非常に快適)」という結果になった。ハイスペックを求められる4K環境でも「非常に快適」となったので、ほぼ全ての場合で快適に遊べるだろう。
充実したインタフェースながらスッキリとしたフロントデザインに
「i1620PA1-SP2」は大きなミドルタワー型のデスクトップPCだけあって、インタフェースの数にも余裕がある。USBは3.0対応ポート×6、2.0対応ポート×4、さらに映像出力もDisplay Port×3、4K出力にも対応したHDMI2.0×1と、マルチディスプレイ環境や4Kディスプレイ環境にも対応できる。USBやヘッドフォン端子などアクセス頻度の高いポートはフロントパネル右上に集約されており、本体を床に置いた時にアクセスしやすくなっている。ちなみに光学ドライブは右下にスロットインタイプのスリムドライブが縦置きに収納されており、フロントのパネルを開けて無骨なドライブ類をむき出しにすることもない。
BTOについてはフラッグシップモデルでもあるため、メモリ容量やストレージ容量の増強が中心となるが、標準のままでもほとんどのケースで不足はないだろう。
オススメのBTO項目として、水冷式のCPUクーラーが選べる点を挙げたい。水冷式は冷却性能と静音性を両立した方式なので、予算に余裕があり、部屋に置く際の騒音を少しでも軽減したい場合は選択するといいだろう。
「MASTERPIECE i1620PA-SP2」はフラッグシップにふさわしい充実した基本性能を備えており、ゲーミングPCとしてはもちろん、ビジネス、ホビーユースにも高い性能を遺憾なく発揮できる1台だ。筆者も、リッピングなどの動画編集をやりつつ、原稿を書きつつ、YouTubeを再生しつつ、Photoshopを使いつつといった、多少ありえない使い方をしてみたが、一瞬でも固まったり、動きがカクつくこともなくスムーズに作業できた。在宅勤務やテレワークといった環境が整っており、趣味の時間を堪能したい人におすすめしたい。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | MASTERPIECE i1620PA1-SP2 |
ディスプレイ | - |
CPU | Intel Core i7-7700Kプロセッサー |
メモリ | 32GB(最大64GB) |
HDD/SSD | SSD 480GB Serial ATA III+3TB HDD SerialATA III |
チップセット | Intel Z270チップセット |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | 1000Base-Tイーサネット×1 |
インタフェース | USB 3.0×6、USB 2.0×4、DisplayPort×3、HDMI×1、キーボード/マウス×1、イーサネット×1、ラインイン×1/ラインアウト×1/ヘッドフォン出力×1/マイク入力×2/リアスピーカー×1、センター・サブウーファー×1、サイドスピーカー×1 |
サイズ | W215×D490×H501mm |
重量 | 約16.6kg |
バッテリー駆動時間 | - |
価格 | 249,800円 |
[PR]提供:マウスコンピューター