高速なSSDを搭載した高コストパフォーマンス機
HD表示の11.6型液晶を搭載した「m-Book C」シリーズは、約1.3kgと軽量なボディに高速なSSD搭載モデルも選べるモバイルノートシリーズだ。タブレットや2in1を除けば、マウスコンピューターのモバイルPCの中では最も小型・軽量なモバイルPCとなる。CPUにはIntel Celeron N3450プロセッサーを採用。Celeron Nは低消費電力を重視した低価格PC向けのCPUだが、演算処理を行うCPUコアが4つ搭載されたクアッドコア構成となっており、複数のアプリの同時実行もこなせる能力を持つ。メモリ容量およびストレージの種類と容量により7モデルが用意されている。
今回おすすめする「MB-C250E2」は、価格では下から2番目に位置するモデルだ。ストレージには64GBのSSDを搭載しており、メモリは4GBだ。Windows 10を使用する環境としては最小限に近いが、標準でストレージの空き容量は40GB程度残っており、Microsoft Officeなど追加のアプリをインストールする余裕は十分にある。最近はクラウドサービスも増えており、ファイルをローカルのストレージに保存する必要性は少なくなっている。SSDの高速性を活かしつつ、ローコストに抑えるという点では、いいバランスを保っていると言えるだろう。なんといっても、4万円を切る価格で本格的なモバイルノートPCが買えるという点が最大の魅力だ。
11.6型モバイルノートPC「m-Book C」シリーズのスタンダードモデルにあたり、64GBのSSDを搭載した「MB-C250E2」 |
トップカバーは同社の他モデルと同様に、直線で構成されるシンプルなデザインだが、角が丸く処理されており、全体的に親しみやすさが漂う |
ボディはブラックベースのシンプルなデザインだが、角が丸く処理されており、本体のコンパクトさと相まって、どことなく親しみやすさも備えている。オフィスだけでなく、喫茶店などで取り出して作業する際でも圧迫感のないデザインだ。ボディは約1.3kgと軽量で、サイズも小さめなのでバッグに入りやすい。これなら毎日持ち歩くことが多い、ビジネスマンにとってもさほど負担にならないだろう。
バッテリー駆動時間は標準バッテリーで約7時間と、外出中の作業用としては十分な値。最近は内蔵バッテリーで交換不可なモデルが多いが、本機はバッテリーが交換可能なタイプなので、予備のバッテリーを一緒に持ち歩けば、電源のない場所でも10時間以上の作業が可能だ。長時間の移動時や、カフェなどで作業が必要なシーンでのモバイル作業も安心して行える。
低価格ながらも実用にたえる処理性能
Celeronを搭載しているということで処理速度に懸念が残る「MB-C250E2」だが、実際のパフォーマンスはどうだろうか。性能を数値で評価するべく、こちらも「Windowsエクスペリエンス インデックス」を実行して計測してみた。
まず「Windowsエクスペリエンス インデックス」については、Windowsの諸機能が快適に使えるかどうかを数値で表すもので、基準値が3以上で実用レベル、4以上あれば全機能が快適に操作できる目安になる。「MB-C250E2」では基準となる「一番低いサブスコア」が「グラフィック」の「4.3」。これはシステムの諸機能やMicrosoft Officeなどの2Dアプリが十分快適に動作する数値だ。その他では「プロセッサー」が「7.1」、「メモリ」が「5.9」、「プライマリハードディスク」が「7.9」となり、いずれもストレスを感じるレベルではない。ストレージにSSDを採用しているぶん、システムやアプリの起動に関わる「プライマリハードディスク」の値が高くなっている点は注目していいだろう。
一方で、高度な3Dグラフィックを要求するゲームなどは、Celeron Nの処理能力と、CPUに内蔵されたIntel HDグラフィック 500では力不足か。ゲームで遊ぶとしても、ブラウザゲームなど処理の軽いものに限定した方がいいだろう。動画などはGPUの機能としてハードウェア的に処理することが可能なので、本機でもフルHDクラスの動画を快適に表示できる。こうしたコンテンツの再生に絞って使うのであれば、不満は少ないだろう。
今回、「MB-C250E2」を喫茶店に持ち込んで、Officeの書類で作業しながら音楽のストリーミング再生サービスを楽しんでみたが、クアッドコアCPUの恩恵もあって、何の違和感もなく、快適に作業を進めることができた。数時間にわたる作業でもバッテリーだけで持たせることができ、ストレスなくモバイル作業をこなす実力があることを確認できた。
コンパクトでも充実のインタフェース
モバイルノートPCは一般的に、サイズ的な制約や薄型・軽量化のため、搭載するインタフェースの数や種類が限定される傾向にある。せっかくのコンパクトさも、周辺機器などを接続するためにアダプターなどが必要になるのでは台無しだ。しかし「MB-C250E2」はモバイルノートPCながら充実したインタフェースを搭載しており、単独でも多くの機器と接続して利用できる。特に外部ディスプレイについてはVGA(D-sub)とHDMIが用意されており、プロジェクターなどに接続する際にアダプター類が必要ないのは大変便利だ。
また文字入力の要であるキーボードも、幅の狭い11.6型モデルながら、キーピッチが17.5mm確保されており、かなり打ちやすい。キーストロークは約1.4mmとノートPCとしては標準的な値で、軽めのタッチでも入力しやすく、個々のキーが独立しているアイソレーションキーボードなため、打ち間違いも起きにくい。長時間文字入力をするユーザーにも納得の操作性が確保されている。
タッチパッドはパッド部分とボタン部分が独立したタイプで、ボタン部分は左右のボタンに分割されていないタイプだが、十分なサイズが確保されているので操作しやすい。電車の中など、作業スペースが限られた場所であってもストレスなく作業できるだろう。
BTOでのカスタマイズについては、メモリの増設と、SSD/HDDの大容量化程度。ストレージの大容量化については最上位のストレージを選ぶのでない限り、価格的にも実質、上位モデルを選ぶのと変わりがない。あえてこのモデルを選ぶのであれば、ストレージは特にいじらず、予算に余裕があればメモリを8GBに増設する程度でいいだろう。
「MB-C250E2」は、コンパクトなモバイルPCを低価格で実現した、非常にコストパフォーマンスの高いモデルだ。性能的にある程度割り切らねばならない部分もあるが、どこにでも持ち歩ける機動力の高さと軽快さは、ビジネスユースでも趣味の世界でも大きな助けになるはずだ。
標準スペック
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | MB-C250E2 |
ディスプレイ | 11.6型 HDノングレア(1,366×768/LEDバックライト) |
CPU | Intel Celeronプロセッサー N3450 |
メモリ | 4GB PC3-12800(最大8GB) |
HDD/SSD | 64GB SSD Serial ATA III |
チップセット | - |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | Intel HDグラフィックス500 |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
LAN | IEEE802.11ac/a/b/g/n対応無線LAN、ギガビット(10/100/1000)LAN×1 |
Bluetooth | Bluetooth V4.2+LE 準拠モジュール(M.2) |
インタフェース | USB 3.0×1、USB 2.0×2、D-sub×1、HDMI×1、イーサネット×1、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、マルチカードリーダー×1 |
サイズ | W292.4×D204×H29.5mm(折り畳み時・突起部含む) |
重量 | 約1.3kg |
バッテリー駆動時間 | 約7時間 |
価格 | 39,800円 |