「OneNote」を利用したノートの共有

鈴木氏:Windows 10で使うと、スタッフと資料などのデータを共有するのに便利なアプリはありますか?

藤原氏:こちらは、デジタルノートアプリ「OneNote」です。ノートブック、セクション、ページごとに分かれており、オーナーに許可された参加者は自由に編集が可能です。弊社ではこのアプリを活用しておりまして、議事録などもOneNoteにまとめたりします。

輪島氏:データは「OneDrive for Business」というクラウド上のストレージに保存されますので、作られた資料はPCだけでなく、Androidなどのスマートフォンからでも、いつでも閲覧可能です。例えば、OneNoteに貼り付けたExcelのデータをクリックすると、このようにExcelが開きます。ですがこのExcelはPCにインストールされたものではなく、Web上のExcelなんです。ページをメールで送信することもできますので、参加者以外に資料を見ていただきたいときも便利ですね。

「接続アプリ」を利用してプロジェクターに映し出された画面をもとに、「OneNote」の使い方を説明する藤原氏と輪島氏

ワークスタイルの改革を支えるセキュリティ

鈴木氏:私どものようなベンチャー企業ですと、他社様とのコラボレーションが非常に多いので、常にセキュリティに不安を抱えています。Windows 10はセキュリティに関して、どのような特徴があるのでしょうか?

藤原氏:弊社がWindows 10を法人向けにもおすすめしている一番の理由が、セキュリティです。Windows 7が発売された当時のサイバー攻撃は、技術力の誇示を目的とした愉快犯的な場合が多かったのですが、現在の攻撃の目的の多くは金銭目的なんです。例えばOSやアプリの脆弱性は、ブラックマーケットにおいて高額で取引され、サイバー攻撃に関係する人の手に渡ることがあります。

残念ながら、サイバー攻撃を100%防ぐのは難しいため、なるべく攻撃されない、ターゲットにならない、攻撃を受けてもすぐに検知し対応できる環境を作ることが大事なのです。こういった観点から、企業様にはWindows 10を使っていただきたいと考えています。

鈴木氏:Windows 10に搭載されているセキュリティの例について、教えていただいてもよろしいでしょうか。

藤原氏:具体的な例として、Windows 10に搭載された生体認証機能「Windows Hello」を利用してみましょう。Windows Helloの顔認証は、3Dで認識を行うため、実物大の写真などに反応することがありません。また、指紋認証にも対応しております。「dynabook R73」などには、指紋認証モジュールが搭載されているモデルもありますね。これらの認証仕様はFIDOという標準化団体によって策定されたもので、Windows ストア アプリ版のDropboxでもWindows Helloによるアカウントの保護に対応しています。生態認証は、今後は決済にも利用され、より利便性が向上していくことでしょう。

「dynabook」についている指紋認証モジュールで、実際にログインの説明を行う藤原氏

鈴木氏:ベンチャー企業では、BYODに代表されるように、会社で使うPCと個人で使うPCが同じPCであることも多いと思うのですが、どのように切り分けすれば良いでしょうか。

藤原氏:そのような場合、Windows 10 Pro搭載のPCと、MDMなど端末管理のソリューションを利用すれば、明確にデータを切り分けることが可能となります。具体的には、ファイルを保存する際に、会社のファイルなのか個人のファイルなのかを選択することで、アクセス制限をかけることができます。会社のファイルとして登録すると鍵のマークがつき、会社が許可したアプリ間でなくては内容のコピー&ペーストなどが行えなくなります。例えば、会社のファイルの内容をコピーして、許可されていないアプリにペーストできないようにしたり、アラートを表示して、ペーストする理由を申請させたりといった対応などが可能です。