新しい時代のワークスタイルを実現するため、さまざまな機能が盛り込まれたWindows 10。登場してはや1年が経過しようとしているが、Windows 10はワークスタイルにどのような変革をもたらしてくれるのだろうか。今回は、株式会社TOE THE LINEの代表取締役社長を務める鈴木万梨子氏とともに、日本マイクロソフト社のオフィスを訪問。東芝の「dynabook」シリーズを用いた、新時代のワークスタイルについてお話を伺った。

女性実業家が抱える、働き方に関する悩み

2016年3月にベンチャー企業「株式会社TOE THE LINE」を立ち上げ、代表取締役兼CEOとして活躍している鈴木氏。ベンチャー企業のTOPとして忙しい毎日を送る同氏は、「女性の働き方は、時間との闘いです」と述べる。打ち合わせなどで外に出ることの多い同氏にとって、ノートPCの起動速度が遅い、バッテリーが持たない、通信環境が見つからないといった悩みは、特に切実だという。また、急な連絡に対応するため、書類や電子機器などの荷物が増えてしまうことが多いとも語った。

株式会社TOE THE LINE
代表取締役社長兼CEO 鈴木万梨子氏

株式会社エイチ・アイ・エスに法人営業として勤務した後、2015年3月に退職。ファッションレンタルのベンチャー、金融系のベンチャーを経て、株式会社TOE THE LINEを設立。旅先でファッションを手配するサービス「FIT the Local」を中心に、Instagrammer検索ツール「8waffle」や女性主導でお金を学ぶコミュニティ「きんゆう女子。」など、さまざまなサービスを運営する新進気鋭の女性実業家。

現在、TOE THE LINEには2名のエンジニアが在籍している。エンジニアはシェアオフィスに勤務しており、外出の多い鈴木氏は、電話やメール、メッセンジャーアプリを通じてエンジニアとやり取りを行うことが多いという。直接、顔を合わせる機会があまり持てないため、コミュニケーション不足になりがちな点も、今後改善したい点として挙げる。

そんな鈴木氏に、日本マイクロソフトの輪島文氏と久保田芳氏は、同社の働き方として、「仕事と育児を両立させるというギリギリの働き方ではなく、限られた時間で成果を出すことを目指す人が増えてきています」と語った。

Skype for Businessなどを利用することで、在宅勤務が可能になり、ビジネスと私生活の両立をしているという。実際、対談の現場では日本マイクロソフトの原氏がSkype for Businessのオンライン会議で参加しており、同社が考える「テレワーク」を体現していた。

日本マイクロソフトで女性社員として活躍する久保田氏(写真左)と輪島氏(写真右)は、女性という視点も踏まえて、これからのワークスタイルについて語ってくれた

オンライン会議を使い、テレワークを実現したMicrosoft

オンライン会議で対談に参加した原氏は、「マイクロソフトでは、オフィス外でも働くことができる環境を整えていくことが推奨されています。その理由は、多様なバックグランドを持った社員に多様な働き方を選択させてあげること。そして、2011年の東北大震災で生活インフラが不安定になった際の自社の経験がもととなっています。

本日、私がSkype for Businessで自宅から参加させて頂いているのも、通勤時間をなくすことで、その時間を体調を崩した家族のケアに充てるためです。経営者の方ですと、自らが様々なところに出向かなければならずオフィスを不在にすることも多いでしょう。また、逆にプライベートの出来事などでお仕事とのバランスに悩まれることもあるかと思います」と述べる。

「しかしSkype for Businessを通してオンライン会議を行えば、場所を問わずに顔を見て直接話をすることができるので、社員の方との精神的な距離も縮まることでしょう。こういったツールは大いに活用ができると思います」とまとめた。

自宅からSkype for Businessによるオンライン会議で対談に参加した、日本マイクロソフトの原氏

一方で輪島氏は、「ただし、このようなワークスタイルを定着させるカギは、社内一斉に行うかどうかにかかっています。オンライン会議で会議に参加することを面倒に感じる環境が残ってしまうとNGでしょう。ですから、会議の際には必ずオンライン会議を使う、と徹底するくらいでないと変革は進みません」と説明。続いて「弊社では樋口(日本マイクロソフト執行役員 会長 樋口泰行氏)や、現社長の平野(日本マイクロソフト代表執行役社長 平野拓也氏)が率先して推奨しましたので、現在のようなテレワークが浸透したのです」と実現への道程を語る。