続いて、「LITTLEGEAR i310SA5」のディテールを確認しよう。「LITTLEGEAR」シリーズの最大の特徴は、W178×D395×H330mmという小型サイズにある。mini-ITXサイズのマザーボードを採用し、マイクロタワーケースの「NEXTGEAR-MICRO」シリーズと比較してもその小ささは際立っている。さらにケース上部には約50kgの重量に耐えられる、持ち運びを想定したハンドルを搭載。このハンドルは開発当初から搭載が決まっており、VRシステムを持ち運ぶというコンセプトで作られたものだという。詳しく知りたい方は、昨年のインタビュー記事 を確認してほしい。
本機は、反射の少ないマットなブラックボディを採用している。フロントパネルに5インチベイは用意されていないが、オプションで上方向から挿入する光学ドライブを搭載することが可能だ。光学ドライブを選択した場合はスライド式の天板に隠す形で搭載され、開くと奥行きは通常の395mmから420mmに伸びる。とはいえ、昨今はアプリケーションやコンテンツがネットワークで提供されることが増え、光学メディアを利用する機会はめっきり少なくなった。頻繁に使うのでなければ搭載する必要はないだろう。上部に用意されたLEDは、電源を投入するとまるでロボットのモノアイのように赤く点灯する。
ケース背面には、9cmファンが取り付け済み。バックパネルにはUSB 2.0×4、USB 3.0×2、PS/2ポート、ギガビットLAN、オーディオ出力を備える。別途グラフィックスカードを搭載しているため、CPU用の映像出力であるDVIとD-sub出力はカバーでふさがれている。GeForce GTX 1060の出力端子は、DVI-I、HDMI、DisplayPort×3の5系統を用意。
フロントインタフェースは右側面に用意されており、上から電源ボタン、USB 3.0×2、ヘッドフォン出力、マイク入力という構成だ。これは展示会などで使用した際に、誤ってボタンを押してしまったりしない配慮だという。
狭いケース内に各種パーツを納めるための内部構造
左右のサイドパネルはどちらも大部分がメッシュ加工となっており、メッシュの周囲のフレームは軽量化のためプラスチックを使用している。左サイドパネルを外すと、まずストレージなどを取り付ける金属ケージが確認できる。
金属ケージを固定する3つのネジを外すと、ケージを上方向にはね上げることが可能となる。その状態から、金属ケージをケース側面上部の溝にそって横にスライドさせると、ケージが取り外し可能に。この金属ケージには、3.5インチベイ×1、2.5インチベイ×2、そしてファンを追加できるスペースが用意されており、本機ではSSDとHDDがそれぞれ1基搭載されている。
マザーボードは、インテル H110 Expressチップセットを採用したmini-ITXサイズのモデルだ。2基のメモリスロット、1基のPCI-Expressスロットは使用済みだが、SATA端子には2基の空きが見える。
また右サイドパネルを外すと、マザーボードの背面にも2.5インチベイが用意されているのがわかる。さらに、BTOオプションとはなるが、マザーボード裏面には、PCI Express x4接続のM.2 SSDも搭載可能だ。グラフィックスカードの吸気は主にケース底面から行われる設計になっており、ケース全体がしっかりとしたフットで持ち上げられている。底面には取り外し可能な防じんフィルタが取り付けられており、こまめに掃除することでPC内の熱を抑えることができるだろう。