―― ご自身たちで(業務としては)潜らないとなると、試作機のテストなどはどのように進められたのでしょう。
牛山氏「業務として潜っているダイバーの方々に、試作機を使ってもらったりしました。そこで高く評価してもらえて」
―― テストを始めたときから、新FROGMANの計測は正確だった?
山崎氏「計算と設計の通りでした!」
牛山氏「我々では自分たちで潜らないテストをしました。新FROGMANの試作機を箱に入れて、船からロープで海中に沈めるんです。試作機と一緒に、海洋調査で使われる高精度のセンサーを沈めて、水深の数値を照らし合わせるわけです。
水中カメラも取り付けて、引き上げてから数値を見るのですが、最初はライトを取り付けていなくて、途中で真っ暗になって見えなくなったりもしましたね(笑)。最大水深のログは記録されているので、そのときは64.8mのログが残っています。テストした場所の海底面がそれくらいの水深で、新FROGMANの数値もほぼ正確です」
―― 真っ暗になっちゃうんですね! 言われてみれば……。またひとつ、G-SHOCK、というかカシオさんは水深計という新しい武器を手に入れたと思いますが、今後の製品でもバリエーションが広がりそうですね。
齊藤氏「G-SHOCK……、PRO TREKなどもそうなんですが、カラバリを柔軟に展開できるのがいいところですね。ダイバーズウオッチって意外とバリエーションが少なかったりするんですが、ダイバーズウオッチでありつつG-SHOCKでもある、というところがメリットです。
ただ、今回の新FROGMANについては、これだけ全力でこだわって作ってきたので、価格が上がってしまいました。FROGMANファンのお客さまには申し訳ない気持ちがあります。
これまでのFROGMANも、G-SHOCKのなかでは特別な存在でしたから、支持されてきた一面があります。我々も特別なモデルと自負して開発をしてきて、いかに本物であるか、いかにタフネスを追求するか、それを具現化したのが新FROGMANです。結果として価格は上がりましたが、ご理解いただけたらうれしいです」
―― それだけの技術、付加価値、機能がつまっているとなれば、ファンならずとも納得できますよ。
牛山氏「そうした背景が伝われば、ご理解いただけるのではないかと思います。なかなか発信しきれていないのが課題ですね。
例えば、新FROGMANはベルトが長いというご意見があったとき、厳しい環境でウェットスーツの上から着用するということをお話しすると、『なるほど』と理解していただけたりするわけです」
齊藤氏「我々も長いと思っていますよ、ベルト(笑)。でも、それがかっこいいんです。
G-SHOCKって、もともと『大きすぎる』『ゴツすぎる』と言われていたんですね。それがだんだんと、強さやタフネスにつながって、かっこいいんじゃないかと認められてきました。製品としてのカタチには、背景と裏付けがあります。そうした点をもっともっとお伝えしていきたいですね」
―― 長時間にわたってどうもありがとうございました!!
いかがだったろうか。カシオのモノ作りには、これまでも取材を通して何度となく触れてきているが、今回またひとつ、深い世界を垣間見た気がした。製品として目にする新FROGMANには、多くの人間が関わり、真剣に作っている。
新FROGMANを素直に見れば、プロフェッショナル向けのダイバーズウオッチだ。しかしだからといって、「プロフェッショナルダイバー専用」ではない。パイロットでない人でもパイロットウオッチを身に付けるのと同じく、ダイビングをしなくてもダイバーズウオッチのファンという人は大勢いる。
最後の話題にあったように、本物の技術、機能、価値といった裏付けがあるからこそ、G-SHOCK FROGMANはユーザーの心をつかんで離さないのだ。どこかの店頭で新FROGMANを見かけたなら、そんな背景を思い浮かべながら眺めてみてほしい。骨太で奥深いストーリーに、新FROGMANを巻いてみたくなるはずだ。
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