便利で使いやすい標準ズームレンズだが……

初めてミラーレスカメラを購入する際は、標準ズームが付属したレンズキットを選ぶのがいい。と、一般的によく言われている。でも、本当にそうだろうか? 確かに標準ズームは幅広いシーンに対応するので、ビギナーが選ぶ最初のレンズとして好都合かもしれない。しかし一方で、どんな被写体にも使いやすい反面、何を撮っても同じような写真にしかならず、面白みに欠けるのだ。

撮影の腕がなかなか上達しない……。撮ることは好きだけれど、思ったような写真が撮れない……。そんな悩みを持つビギナーであればこそ、標準ズーム1本で済ませるのはなく、標準ズームに「ちょい足し」する2本目のレンズを検討してほしい。

単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」を装着した「OLYMPUS PEN Lite E-PL7」。左はキット付属の標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」

今回お勧めするのは、オリンパスの「PEN」シリーズなどマイクロフォーサーズ規格のカメラに対応する明るい単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」だ。金属外装を採用したハイグレードなスナップレンズである。35mm換算で焦点距離34mm相当に対応。狭すぎず広すぎない画角が楽しめる。

数ある交換レンズの中でも、なぜこの1本なのか。魅力はたくさんあるが、まず注目したいのは、小型軽量と明るい開放値を両立していること。一般的にレンズの開放値は、明るくなるほど (Fの数値が小さくなるほど)、重量が重く、サイズが大きくなる傾向がある。たくさんの光を取り込むには、レンズの口径を大きくする必要があるからだ。

だが「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」の場合は、最大径57.5×全長35.5mmというコンパクトさと、120gという軽さを維持しながら、開放値は「F1.8」を実現。キット付属の標準ズームに比べた場合、約2段分も明るい開放値である。

絞り優先AE(F1.8 1/3200秒) ISO200 WB:晴天 焦点距離:17mm カメラ:PEN Lite E-PL7 レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8