それでは、実際に「LM-mini83X-SHD」を液晶モニターに取り付けてみよう。まずは、前ページで紹介したVESAマウント用取り付けキットを、モニター背面のVESAマウント穴に付属のネジで固定。その後、キットの金具に本体をスライドさせながら挿入し、縦置きスタンドと同様に手回しネジで本体を接続する。たったこれだけで、液晶モニターとPC本体を一体化させることができる。

付属のネジを使用して、液晶モニターの背面にVESAマウント用取り付けキットを設置

本体をスライドさせながら取り付け、本体下部を手回しネジで固定する

取り付け後の様子。一体感を損なうことなく、本体とモニターの間に熱対策用のスペースが設けられていることがわかる

もちろん、液晶モニターと本体はHDMIやVGAケーブルで接続する必要があり、またPC本体の電源は液晶モニターとは別に供給する必要がある。しかし、液晶モニターのスペースさえ確保すれば設置できるため、省スペース性はまさに一体型PCと同じだ。

コンパクトケースに凝縮された使い勝手のいいスペック

続いて、本機の内部を確認しつつ、スペックをチェックしていこう。なお本機は、ユーザーがケースを開けることを考慮した設計ではないため、もし開閉を行う場合は自己責任で行ってほしい。

「LM-mini83X-SHD」の内部構造。コンパクトな筐体に各種パーツが詰め込まれている。本体上部にCPUとメモリ、下部にストレージを搭載

搭載されているCPUは、インテルのCore i3-5010U。Haswellを14nmプロセスにシュリンクしたBroadwell世代のモデルだ。銅製ヒートパイプでケース上部のヒートシンクに熱を移動させ、ファンによって排気している。2コア4スレッドで動作し、動作クロックは2.1GHz。ノートPCなどに利用される超低電圧版CPUだけあってTDPは15Wと低く、「LUV MACHINES mini」シリーズの薄型筐体でも余裕を持って動作させることができるだろう。

CPU-Zで確認したインテル Core i3-5010U

グラフィックス処理は、CPU内蔵のインテル HD グラフィックス 5500で行われる。Haswell世代よりも確実に性能は伸びており、フルHD程度の動画であればコマ落ちの心配なく視聴できそうだ。メモリスロットは1基となり、追加は行えない。シリーズの中でも上位モデルとなる本機には、DDR3L-1600の8GBモジュールが搭載されているため、Windows 10 64ビット版でもメモリ不足で困ることはないだろう。

GPU-Zで確認したインテル HD グラフィックス 5500

ストレージに採用されているのは、SSDの速度とHDDの容量のいいとこ取りを狙ったSSHD(ソリッド・ステート・ハイブリッド・ドライブ)だ。保存先はHDDだが、SSDをキャッシュとして使用することで、使用感をSSDに近づけている。ベンチマークテストではその差がわかりにくいが、使えば使うほど、Windows 10の起動やシャットダウン速度、頻繁に使用するアプリが高速化していくのが特徴。Microsoft OfficeやWebブラウザ、メーラーの起動はもちろんのこと、Windows Media Playerをはじめとした映像・音楽再生アプリなども起動する頻度が増えれば増えるほど快適になっていく。SSDも安価になってきているものの、容量当たりのコストパフォーマンスや本機の性能とのバランスを考えると、このチョイスは"アリ"だろう。

「CrystalDiskMark 5.1.2」で計測したSSHDの速度。ベンチマークテストではHDDとそれほど数値は変わらないが、体感速度は大きく異なる。デスクトップや、よく使用するフォルダを開く速度にもその差は現れ、複数のアプリを利用している際の切り替え時にも、きびきびとした動きを感じることができるだろう