"DYNAMIC APPROACH IMAGERY OF VISUAL"の頭文字から名づけられたクリエイター向けブランド「DAIV」

「mouse」や「G-Tune」「MousePro」をはじめとした、さまざまなPCブランドを展開するマウスコンピューター。そんなマウスコンピューターに新たに追加されたのが、クリエイター向けPCのブランド「DAIV」だ。コンテンツ制作に必要とされるスペックと、感性を妨げないデザインを採用した同ブランドが誕生した経緯はどのようなものだったのだろうか。マウスコンピューターで代表取締役社長を務める、小松永門氏にお話を伺ってみよう。

株式会社マウスコンピューター 代表取締役社長の小松 永門(こまつ ひさと)氏

コンテンツ閲覧デバイスと制作デバイスの分化

2007年にネットブックが登場してからというもの、PCの低価格化は加速の一途をたどっている。当時すでにPCのコモディティ化が進行しており、小松氏は将来的に"コンテンツを見るデバイス"と、"コンテンツを創るデバイス"の分化はより一層進むと考えていたという。実際、ネットブックが2012年に新規販売を終了したのちには、タブレットやスマートフォンがその役割を引き継ぎ、コンテンツを見ることはここ数年でより容易となった。

一方、コンテンツ制作環境では、写真であれば2000万画素超、映像であれば4K/8K、音楽であればハイレゾが登場。さらに、VR(ヴァーチャル・リアリティ)と呼ばれる新しいコンテンツも登場しており、コンテンツ自体の高品質化が進んでいる。こういった高品質化したコンテンツは、"コンテンツを見るデバイス"で編集するのは困難だ。

従来であれば、PCはコンテンツを見るものであり、同時に創るものでもあったが、現在は用途の二分化が著しく進んでいる。そんなPCの情勢をかんがみて、小松氏は長らく「クリエイティブ・エンジニア向けPC」の必要性について思い悩んでいたという。このたび登場した「DAIV」ブランドは、小松氏とマウスコンピューターの考えをブランドとして確立させたものといえるだろう。

ほかのマウスコンピューターブランドとまた趣が違う、「DAIV」のWebページ

フォトグラファー向けPCからコンセプトを発展させた「DAIV」

小松氏がクリエイター向けブランド設立に向けた手ごたえを感じたのが、カメラと写真・映像の総合展示会「CP+ 2015」だ。マウスコンピューターでは、アッパーミドル~ハイエンド向けとして「MDV ADVANCE」シリーズを長らく展開している。この「MDV ADVANCE」シリーズのサブカテゴリとして、フォトグラファー向けにI/Oやストレージ、カラーマッチングをカスタマイズしたPC「MDV for Photo」を用意して展示したところ、多くのユーザーから問い合わせがあったという。このモデルがクリエイター向けブランドの基本的な骨子となった。こうして「MDV ADVANCE」シリーズをクリエイターセグメント向けに再構成したものが「DAIV」となる。

「DAIV」の前身となった、RAW現像、写真編集/加工向けPC「MDV for Photo」

「DAIV」ブランドで展開されるデスクトップPCは、数々の広告ビジュアルやTVCM、Webコンテンツなどを制作しているプロダクション「株式会社アマナ」に所属するクリエイターの意見を参考に開発された。株式会社アマナはWindowsフォン「MADOSMA」のブランド開発を担当しており、その流れでマウスコンピューターとの協力体制が生まれたという。