文字板の表示要素をカスタマイズして、自分だけのG-SHOCKフェイスを!

―― 面白いですね。カシオウオッチのフェイスのデザインが収録されているのも、個人的にはかなり魅力的です。確か、G-SHOCKの6900系のデザインがありましたね。

これが登山仕様の6900! 三連のインダイヤルが(左から)高度計、気圧計、コンパスになっている

岡田氏「はい。ウオッチフェイスのデザインは、UIのデザイン担当と時計デザイン担当、両方のデザイナーたちが監修しています。たとえば、ウオッチフェイスの中でもG-SHOCKの『6900』をイメージしたデザインがありまして、実際のG-SHOCKでは立体的な文字板デザインになっていますが、今回の製品ではフラットなデザインとし、モニターでの表示に最適化するよう調整しています」

―― たとえば「GW-6900」の3連インダイヤルは、左からバッテリーゲージ、アラームモード表示、そして秒表示じゃないですか。WSD-F10は、そのデザインを生かしながら、高度や気圧、コンパスなどに置き換えているのが面白いですね。

岡田氏「このインダイヤルに何を表示するかは、自由にカスタマイズできます。平日はバッテリーゲージとスマホのバッテリーゲージなどにしておいて、週末は高度や気圧を表示して登山仕様の6900にするとか。そんな『オレ6900』ができちゃうんです」

クロノグラフ風ウオッチフェイスも、こんな風にインダイヤルの表示要素をカスタムできる

G-SHOCKの定番デジタルモデル「6900」系をイメージしたウオッチフェイス

―― それは楽しい! それだけでも欲しくなっちゃう人がいそうです(笑)

今村氏「でも、ウオッチフェイスについては、まだまだ少ないとお客さまから言われるんじゃないかと思っています」

「オリジナルウオッチフェイスは、できる限り増やしていきたいですね」

―― カシオの時計には、とにかくデザインが豊富というイメージがありますから……。

今村氏「そうなんです。お客さまがフェイスデザインのバリエーションを望んでいらっしゃることは、ひしひしと伝わってきます」

―― 「カシオ データバンク」のデザインとか。あれはケースの形が四角でないと難しそうですけど。

岡田氏「余談ですが、データバンクはアメリカでも人気が再燃しているようです。CESのプレゼンでカシオの歴史を紹介したとき、『カルキュレーターウオッチ』(データバンクのこと)のところで拍手喝采が起きたほどですから(笑)」

レトロフューチャーなデザインが目を引くデータバンクシリーズには複数のモデルが存在するが、中でも計算機能付きが人気

―― 最後に、セキュリティについて教えてください。スマホとWSD-F10間の通信セキュリティは、Bluetoothのセキュリティ規格に準ずるのでしょうか。

今村氏「そうです」

―― WSD-F10の中には、どのような個人情報が保持されますか?

今村氏「気圧や高度、ユーザーが歩いたか走ったかといった、個人が特定されにくいものです。サードパーティーのアプリの中には、スマホの電話帳を呼び出すものがありますが、それをWSD-F10の中には保存しません。一時的にキャッシュすることはありますが」

―― ということは、万が一、紛失や盗難に遭っても、個人情報漏洩の恐れはないと。

今村氏「個人が特定される情報は、基本的に保持しませんから。それでも心配な方は、紛失や盗難にあったら、専用の接続アプリからBluetoothのペアリングをカットしてください。すると、WSD-F10内のログやキャッシュが自動的にすべてクリアされるので、よりご安心いただけると思います」

右から岡田氏、今村氏、大村氏

―――――

以上、2回にわたってSmart Outdoor Watch「WSD-F10」の開発陣インタビューをお送りしてきたが、いかがだっただろうか。サードパーティーアプリについてはCES 2016での発表時からほぼ変わっていないとのことで、正直、あまり質問の余地はなかった。しかしそのぶん、ハードウェア仕様や搭載アプリの背景については、より突っ込んだお話を聞くことができたと思う。今回の記事で、読者諸氏の理解が少しでも深まったなら幸いだ。

そのWSD-F10は、いよいよ3月下旬に発売予定。カシオが各事業部間の壁を越え、全社体勢で開発した記念すべき最初のSmart Outdoor Watch「WSD-F10」の完成度を、みなさんもぜひその手で、いや、手首でご確認いただきたい。

[PR]提供:カシオ