―― そういえば、WSD-F10は何種類ものウオッチフェイスを持っていますね。

岡田氏「ウオッチフェイスには、大きく分けて2種類あります。ひとつは当社の時計をモチーフとしたデザインの文字板。もうひとつは、ツールライクな計測値やグラフをベースとした文字板です。これらもWSD-F10の魅力のひとつですね。

この製品はアウトドアフィールドで使用するものですが、アウトドアファンなら、そこにいないときにも時計として身に付けたくなると思うんです。ウオッチフェイスには、その仕掛けが施されています」

今村氏「平日、働いているときに『自分は登山が好きだけど、ここ最近、全然山に登れていないなぁ』なんて思うことがありますよね。そこでふと時計に目をやると、過去に登った最高の高度が表示されている。こういうのって、ちょっと嬉しいじゃないですか(笑)。同時に、いつかこの高さを超えたいなぁ、って思えたり。そういう憧憬というか、恋い焦がれるものがいつも手首にある。そんなコンセプトでウオッチフェイスを作っています」

山に登りたい! けれど、次の休暇まで、WSD-F10を身に付けることで辛抱するのだ……!

登山記録が表示されるウオッチフェイス。時計表示より、もはやアウトドアへの憧憬がメイン

気圧表示とその変化をもとにした天気予報が付いたウオッチフェイス

クロノグラフ型のウオッチフェイス。上のインダイヤルは高度計、下のインダイヤルは気圧計だ

―― それ、わかります。私も、行けもしない外国の天気をウィジェットにして、スマホのホームに置いたりしますよ(笑)。

今村氏「そうそう、そんな心境に近いですね。そして次の週末、いよいよ新しい山に登ったとします。そこで、過去の自分の最高高度を超えると、ウオッチフェイスが点滅を始めるんですよ。今、あなたは過去最高の自分を乗り越えていますよ、という演出ですね。ウオッチフェイスには、そんな遊び心も入れています」

ウオッチフェイスには「遊び心を込めた」と語る今村氏