Atom x5-Z8300は意外にも高性能

続いてはベンチマーク結果を見てみよう。「m-Stick MS-CH01F」で使われているAtom x5-Z8300はタブレット/小型PC向けのCPU(SoC)で、性能はそれほど高いというわけではない。しかしネット閲覧や動画の視聴、Windows 10アプリの利用など、ライトな作業には十分なパワーを持っている。

「m-Stick MS-CH01F」のシステム情報

「CPU-Z」によるAtom x5-Z8300の詳細情報

Windowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンス インデックス)については下表のとおり。各スコアの最高値が9.9であることを考えれば、それほど悪くはない結果だ。グラフィックスのスコアが「4」と低いが、この部分はWindows 10の快適さに大きく影響しないので、気にする必要はないだろう。

Windowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンス インデックス)
CpuScore(プロセッサ) 6.1
MemoryScore(メモリ) 5.5
GraphicsScore(グラフィックス) 4
GamingScore(ゲーム用グラフィックス) -
DiskScore(プライマリハードディスク) 6.9

試用機の「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果

CPUの処理能力を計測する「CINEBENCH」では、Atom x5-Z8300としては順当な結果となった。ただ筆者がこれまでに計測したAtom x5-Z8300搭載機のなかでは、比較的高めの結果が出ている。また、あくまでも筆者の観測範囲内ではあるのだが、Celeron N3050を搭載した3~5万円台の格安ノートPCよりもスコアが高めだ。Atom x5-Z8300は意外に優れた性能を持っていることがわかる。

「CINEBENCH R11.5」ベンチマーク結果

ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)で164.7MB/秒という結果となった。シーケンシャルライトは64.43MB/秒とやや遅いものの、リードでは一般的なHDD(100~110MB/秒)よりも高速だ。また4Kランダムアクセスも速く、Windows 10をサクサク快適に利用できる。

「CrystalDiskMark」ベンチマーク結果

Cドライブには18.5GBの空き容量が残されていた。データ保存用に大容量のmicroSDカードを活用したい

「PCMark 8」の「Home conventional 3.0」ではそれなりの結果となったものの、超小型のスティック型PCとしては健闘していると言っていいかもしれない。スコアの詳細を見てみると、動画のエンコードや3Dゲームなど負荷の高い処理がネックになっていることがわかる。高い負荷のかかる作業には厳しいが、動画の再生やネットの閲覧には問題ないことがわかる結果だ。

日常的な作業の快適さを計測する「PCMark 8」の「Home conventional 3.0」ベンチマーク結果

「PCMark 8」でテスト中のCPU温度と動作周波数を表わすグラフ。ゲーム系のワークロードではCPU温度が80度近くまで上昇したが、それ以外では60度前後をキープしていた。本体の冷却機能が十分な効果を発揮していると見られる

「3DMark」ではもっとも負荷の高い「Fire Strike」で「218」、もっとも負荷の低い「Ice Storm」で「19391」という結果だった。残念ながら、PC向けの3Dゲームをストレスなく楽しめる性能ではない。だが、2D描画主体のブラウザゲームであれば、問題なくプレーできるだろう。

「3DMark」ベンチマーク結果