2015年は、スティック型PCが大きな話題となった1年だった。その火付け役となったのが、マウスコンピューターの「m-Stick」シリーズ。2014年12月に発売されて以来、OSやストレージ容量の異なるさまざまなモデルが発売されており、多くのユーザーから高い評価を得ている。
そんなスティック型PCの元祖とも言えるマウスコンピューターから、スペックを刷新した「m-Stick MS-CH01F」が登場した。新モデルの主な特徴は、CPUにCherry Trail世代のAtom x5-Z8300(1.44GHz)を採用している点と、フルサイズのUSB3.0端子を搭載している点、無線LANが5GHz帯の11acに対応した点、そして冷却性能が強化されたことでより安定した動作が可能となった点の4つだ。そこで今回は「m-Stick MS-CH01F」の外観やベンチマーク結果をレビューするとともに、スティック型PCの有効な活用法について紹介しよう。
空冷ファン&フルサイズのUSB端子×2を搭載
「m-Stick MS-CH01F」の本体サイズは、幅113×奥行き39×高さ13mm(端子類を含まず)。従来モデルと同様に手のひらサイズのコンパクトなボディではあるものの、継続販売中のファンレスモデル「m-Stick MS-NH1-W10」(幅100×奥行き38×高さ9.8mm)と比べるとフットプリント(接地面積)はひと回り大きくなっている。ただし、これは空冷用のマイクロファンを搭載するなどして、本体の内部の冷却性能を高めるため。発熱によるパフォーマンスの低下が抑えられるのであれば、納得できる範囲の大型化だ。
インターフェースとしては、USB3.0端子×1、USB2.0端子×1、microSDメモリーカードスロットが用意されている。なんと言っても、フルサイズのUSB端子が2ポート用意されているのは非常にありがたい。スティック型PCではWindows 10の初期設定にUSB接続のキーボードとマウスが必要になるのだが、USB端子が1ポートだとUSBハブを用意する必要がある。しかし2ポート搭載している「m-Stick MS-CH01F」なら、USBハブ不要で設定を行なえるのだ。また、転送速度が速いUSB3.0を利用できるのも大きなメリットだと言える。
基本的な使い方は、従来モデルと変わらない。リビングの大型テレビや液晶ディスプレイのHDMI端子に「m-Stick MS-CH01F」を差し込み、付属の電源アダプタからmicroUSB端子へ電源を供給すればOK。必要に応じて、付属のケーブルなどを利用するといい。
きょう体サイズがやや大きくなっているため、従来モデルと比べて端子や液晶ディスプレイのボディと干渉する可能性が高くなっている |
付属のHDMI延長ケーブルを使えば干渉を防げる上に、端子部分に力がかかって本体が破損する可能性も低い |
デザイン的な特徴としては、HDMI端子と反対側の側面が暗めのブルーになっている点が挙げられる。1面だけ色を変えるのは、これまでの「m-Stick」シリーズにはない試みだ。パッケージの色と統一されているあたりに、メーカー側の強いこだわりが感じられる。