世界のPCゲーム市場が盛況だ。「Steam」をはじめとしたゲームプラットフォームの普及や、盛り上がりを見せている「Oculus Rift」などのVR HMDにより、PCの需要は伸び続けている。なかでも、ゲームの大会やデモンストレーション、身内での対戦プレイ、VR HMD用のPCなどで近年ニーズが高まっているのが持ち運べるサイズのゲーミングPC。しかし、小型のデスクトップ型ゲーミングPCを選ぶか、ノート型ゲーミングPCを選ぶかで、多くの方がお悩みだろう。今回はTSUKUMO(以下、ツクモ)のゲーミングPCシリーズ「G-GEAR」をお借りして、それぞれの優位点を検証してみることにしよう。
デスクトップ型ゲーミングPCとノート型ゲーミングPCのメリット・デメリット
まずは、それぞれのプラットフォームにおけるメリットとデメリットを確認しておこう
デスクトップ型ゲーミングPCのメリットの源は、筐体サイズにある。スペースに余裕のあるケースを利用するため冷却性能が高く、それゆえに発熱量の大きなデスクトップ向けパーツを利用可能。ノートPC用パーツに比べ、デスクトップ用パーツは処理能力あたりの価格が安いため、コストパフォーマンスも良好。また自作PCの知識があるユーザーならば、新型パーツが発売されたときに、必要に応じてパーツを換装・追加できるという拡張性も備えている。液晶ディスプレイやキーボードなどを選択できる自由度も魅力といえるだろう。
一方で大きなデメリットは、バッテリーを搭載しておらず、電源コンセントが存在している場所でしか駆動できないことが上げられるだろう。筐体のサイズによっては、持ち運ぶことすら困難だ。また、ノートPCであればどこでもゲームの続きを同じ環境で楽しめるが、クラウドにセーブデータや周辺機器の設定を保存できない場合、継続して遊ぶのが少々面倒になる側面もある。
ノート型ゲーミングPCは、ノートPC内に強力なノートPC向けGPU(グラフィック機能)を搭載した製品。名前の通り持ち運びが可能なノートPCで、3Dゲームを動かせることが最大のメリットだ。消費電力が大きなGPUを内蔵するため、一般的なノートPCに比べると筐体は大きく厚くなる。またバッテリー消費量も増大するため、電源供給用のACアダプタも強力なものが利用される。そのサイズや電源を活かし、大型ディスプレイや多彩なインターフェースが搭載されることが多く、省スペースにハイスペックが凝縮されている。ただし、強力なGPUを積んでいるといってもあくまでノートPC向け。同じくCPUにもモバイル向けの製品が利用されるため、同価格帯で比較した場合、絶対的なパフォーマンスではデスクトップPCに及ばないのが現状となっている。
これらがデスクトップ型ゲーミングPCとノート型ゲーミングPCの違いだが、実際にはスペックや使い勝手にどのような差が現れるのだろうか。検証のため、今回はノート型ゲーミングPC「G-GEAR note N1562J-710/E」と、液晶ディスプレイを含めた際に同等価格となるデスクトップ型ゲーミングPC「G-GEAR mini GI7J-B64/T」を用意した。次ページでは、それぞれの特徴を簡単に確認しつつ、まずは設置面積やモバイル性について確認してみよう。
タイプ | メリット |
---|---|
デスクトップ型ゲーミングPC | コストパフォーマンスの良さ |
スペックの高さ | |
カスタマイズ性の高さ | |
購入後のアップグレードも容易 | |
ノート型ゲーミングPC | 省スペース |
省電力 | |
モバイル性の高さ | |
ディスプレイ一体型 |