キーボード・カバーの使い心地は?
WN892には、キーボード付きのカバーが標準で付属している。文書作成時にはキーボードが必須となるだけに、追加料金なしで手に入るのはありがたい。
本体との接続はマグネット方式で、それぞれの端子部分を近づけるだけで手軽に装着可能だ。端子は独自形式のコネクタのように見えるが、実はUSBで接続されている。キーボードは素早く認識されるため、ほぼ待ち時間なしですぐに利用できる点がうれしい。
カバーを装着して閉じた状態の大きさは、実測でW241×D168×H20mmだ。サイズ感としてはA5とB4の中間くらいで、大きめの手帳のような印象を受ける。WN891と同じキーボード・カバーが使われているのかと思ったのだが、装着時の重量を比較してみると、WN892向けのキーボード・カバーのほうが20gほど軽い。作りやギミックは同じだが、WN892用に仕上げられているようだ。
肝心のキーボード部分はというと、配列が少々独特だ。キーピッチは実測で17mm前後と、8.9型向けとは思えないほど十分な大きさが確保されている。ただしキーは全部で64個で、標準的なキーボード(テンキーなしで80~90程度)と比べるとかなり少ない。では足りないキーはどうするのかというと、ShiftキーやFnキーの同時押しを組み合わせることで利用できるようになっているのだ。
例えば数字の[5]キーであれば、[Shift]キーとの同時押しで[%]、[Fn]キーとの同時押しで[F5]キー、[Shift]キーと[Fn]キーの同時押しでマルチメディアキーの検索機能となっている。少々面倒に感じるかもしれないが、[Shift]キーと[Fn]キーの同時押しは主にマルチメディアキーに割り当てられているので、実際に利用する機会はそれほど多くはない。しかし[ESC]キーが[BackSpace]キーと[Shift]キーおよび[Fn]キーの3種同時押しになっている点は、慣れるまでにやや時間がかかるかもしれない。とはいえ、ソフトウェアキーボードよりははるかに使いやすく感じる。
キーストロークは実測で1.5mm前後だった。入力時にわずかな底打ち感を感じるものの、タイプ感は悪くはない。強くタイプすると軽めのたわみが生じるが、気になるレベルではないだろう。
WN892の価格は3万円台ということを考えれば、キーボード・カバーについてもそれほど高価なものではないはずだ。だが決して安くてデキの悪い代物ではない。それどころか使いやすさを実現するための配慮が、そこかしこに散りばめられており、丁寧に仕上げられている印象を受けた。8.9型のタブレットとしては使いやすい環境を提供している点を高く評価したい。