ベンチマークの結果も良好で利用感は快適

3万円台という驚きの価格で購入できる「LB-B420EN-SSD32-BG」。最も気になる点は、その処理能力だろう。ここからは「LuvBook B」シリーズの実力を、ベンチマークで測っていきたい。まず「LB-B420EN-SSD32-BG」の構成を改めてまとめておこう。CPUはIntel Celeron N3150で、動作クロックは1.6 GHz、バースト周波数は2.08GHzとなる。メモリは2GB、ストレージは32GBのSSDだ。グラフィックス機能は全ラインアップ共通で、CPU内蔵のインテルHDグラフィックスを利用。グラフィックスのベース動作周波数は320MHz、バースト周波数は640MHzだ。

まずは、OSの動作を確認してみよう。Windowsの基本的な動作について確認できる評価プログラム「WinSAT」を実行。「Windowsエクスペリエンス インデックス」の項目に合わせて紹介すると以下のような結果になった。注目したいのはプライマリハードディスクの値"7.15"。SSDを導入したことによって、本機の体感速度は大きく向上していると言っていいだろう。またグラフィックスの値こそ伸び悩むものの、プロセッサの値はこれまでのCeleronシリーズのイメージを覆す"6.6"。価格から考えると、かなりの健闘がみえる。なおゲーム用グラフィックスで9.9という数値が確認できるが、これはWindows 10では測定されないスコアであるためだ。

Windowsエクスペリエンス インデックス(WinSAT)
プロセッサ 6.6
メモリ 5.5
グラフィックス 4.2
ゲーム用グラフィックス 9.9
プライマリハードディスク 7.15

ストレージの速度をさらに詳しく調べてみよう。ディスクへのアクセス速度を計測できる「CrystalDiskMark」を実行した結果は以下のようになった。さすがはSSDという値で、HDDとは段違いのスコアが確認できる。

CrystalDiskMark 3.0.2

実際に、Windowsの基本的機能やブラウザを経由して各種オンラインサービスを使用してみたが、スペック表から想像される性能よりも動作は軽快。SSD搭載モデルらしい素早い起動と、もたつきのないレスポンスでストレスなく使用できる。

重量級のアプリケーションをインストールし、マルチメディアコンテンツの制作を行いたいといった場合はさすがに力不足感も否めないが、メールやオフィス文書の作成、インターネットの閲覧、写真や動画、音楽の再生と簡単な編集ならば軽々とこなしてくれる。

32GBのSSDでWindows 10のメジャーアップデートを適用するには

Windows 10は11月に、これまで「TH2」と呼ばれるメジャーアップデートが行われた。WindowsUpdateで更新を行う際にはバージョン 1511 (Build 10586)としてダウンロードされる。このバージョン 1511を適用することで、話題の音声アシスタント「Cortana」に対応するほか、起動時間をはじめとしたパフォーマンスアップや手書き入力サポート、セキュリティの改善が行われるため、Windows 10がより使いやすくなることだろう。

LB-B420EN-SSD32-BGを、Windows 10 バージョン 1511にアップデートしたところ

だが、LB-B420EN-SSD32-BGに搭載されているストレージ容量は32GB。うちユーザーが使用できる空き容量は約6GB程度とあまり余裕がない。バージョン 1511をダウンロードしてインスト―ルするためには約8GBの空き容量が必要で、そのままではアップデートが行えない。LB-B420EN-SSD32-BGでバージョン 1511を適用するには、不要なアプリを削除するか、外部ストレージを用意する必要がある。

バージョン 1511をインストールするには約8GBの空き容量が必要。LB-B420EN-SSD32-BGは約6GB程度の空き容量しかないため、このままではインストールできない

空き容量が無くとも、ひとまずWindowsUpdateからバージョン 1511をダウンロードしてインスト―ルを進めることができる

アップデート中に容量が不足した場合、Windows 10で行える対応方法を選択する画面が表示されるので、このウィザードにしたがって作業を行えばOKだ。もともとプリインストールされているアプリも少ないLB-B420EN-SSD32-BGでは、USBメモリやSDカードなどの外部ストレージを用意するのがもっとも簡単な方法だろう。

ストレージに、アップグレードに必要な容量が足りない場合、「空き容量が不足しています」というメッセージとともに、対応策がオプションとして表示される

環境を維持したままバージョン 1511にアップデートするならば、外部ストレージの利用がおすすめ。必要なファイルが接続したUSBメモリなどに保存される

なお、バージョン 1511にアップデートするためのファイルを本体に保存した場合、アップデート後の容量は4GBほどになる。外部ストレージを利用した場合は、アップデート前の容量はほとんど変わらない。このようなWindowsUpdateの対応も踏まえ、LB-B420EN-SSD32-BG運用の際は、やはり別途外部ストレージを用意しておいた方がよさそうだ。

バージョン 1511適用後のC:ドライブの容量。外部ストレージを利用してアップデートを行うならば、使用容量はそれほど増加しない

BTOカスタマイズで外付けHDDなどを追加すればより快適に!

「LB-B420EN-SSD32-BG」は、処理能力も十分に実用に耐え、SSDを採用していることにより快適度もは非常に高い一台だ。ただしそのぶん、ストレージ容量をつねに考慮しなければならないのが、本機の特徴といえる。

そういった「LuvBook B」シリーズの特徴を良いものに変えるために、おすすめしたBTOカスタマイズが、外付けHDDの同時購入だ。本稿で紹介したオンラインストレージも有効な方法だが、ローカルにまったくバックアップがないのはいざというときに不安なもの。また作業によっては一時的に大きな容量や速度が必要になることもあり、そういった場合にはオンラインストレージでは対応できない場合もある。このような状況を想定し、外付けのHDDを用意しておくとより安心だ。BTOカスタマイズで選択できる外付けHDDはいずれもUSB3.0に対応した製品となっており、高速で安定したアクセスが行える。

BTOカスタマイズで外付けHDDを購入すればより安心

「LB-B420EN-SSD32-BG」の3万円半ばというプライスは、スマートフォンやタブレットと比較してもかなり安価な部類だ。とくにWindows 10を搭載している点まで考えると、そのコストパフォーマンスは際立っている。しかしその特徴ゆえに、使い勝手に若干のクセがあるのはここまでご紹介した通り。ストレージ容量は、外付けHDDやUSBメモリ、メモリカード、オンラインストレージなどをうまく組み合わせることで補える。上手に使えば、安価で快適な環境を手に入れることができるのだ。ボーナスで懐に余裕のある今、一度購入してみるのも面白いモデルかもしれない。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 LB-B420EN-SSD32-BG
ディスプレイ 14型HDノングレア液晶(1366×768)
CPU インテルCeleron N3150
メモリ 2GB PC3-12800 DDR3L SO-DIMM
SSD 32GB ADATA SP600シリーズ SerialATAIII
チップセット
光学ドライブ
グラフィックス インテルHD グラフィックス
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN
インタフェース USB 3.0×2(左側面×2)、USB 2.0×1(右側面×1)
サイズ W340×D242×H26.5mm(折り畳み時)
重量 約1.7kg
バッテリー駆動時間 約8.1時間
価格 34,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格・構成については、記事作成時の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。


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