その2:利便性の高い核家族向け分譲マンションでの使用例

2つ目の環境は、2LDKの分譲マンション。2~3人程度の核家族向け物件だ。夫婦や、お子さんが1人いる家庭にとってはムダがなく、また都市部という利便性も確保できる住宅といえるだろう。構造は鉄筋コンクリート造りで、リビングダイニングとキッチンが壁で分けられている作り。そのほかベッドルームと個室が存在する。遮蔽物や干渉物が多く、さらに他の家庭のアクセスポイントが山のように現れるため、電波強度出来にはなかなか厳しい環境となる。

この分譲マンションでWG2600HPを設置したのは、玄関から繋がるリビングの入り口部分。間取り全体から見て中央に位置する。間取りを考慮すると、この位置以外に適した場所を探すのは難しい。他の箇所に設置した場合、部屋ごとの通信速度は大きく変化してしまうことだろう。

分譲マンションでは、玄関から繋がるリビングの入り口にWG2600HPを設置した

この位置にはメタルラックが設置されており、もともと光回線用のモデムなどが下段に置かれている

リビングにはプロジェクターが設置されており、ブルーレイディスクやNASに保存した動画を存分に楽しめる環境が構築されている。他の部屋に設置されたNASから高解像度の動画を安定して受け取るためには、高速な無線LAN環境が欠かせないだろう。またベッドルームで睡眠前に電子書籍端末を楽しむ際にも、無線LANが高速ならコンテンツをすぐにダウンロードできそうだ。

こちらの環境でも「iPerf」でコンバータや各機器の速度を簡単に調べてみたが、コンバータ経由ではだいたい500Mbpsほどの速度で通信を行うことができた。モバイル端末利用時は、間取りの中でもっとも電波が届きにくいであろう玄関近くの個室では250Mbps程度まで低下することもあったが、切断の心配もなく概ね快適に通信を続けることができた。

その3:快適な一人暮らしができるワンルームマンションでの使用例

3つ目の環境は、1人の時間を楽しく過ごせるワンルームの賃貸マンション。都市部の1人暮らし用の物件だが、平米数は約33平方メートルとワンルームとしてはやや広め。近隣の部屋から多くの電波が飛び交っていることは懸念点だが、壁などの遮蔽物もないため、速度は十分に期待できそうだ。

こちらのワンルームマンションでWG2600HPを設置したのは、間取り図の右上にあたる窓際。光回線の取り出し口があり、PCデスクも近くに設置されているため、有線LAN接続をあわせて利用する機会を考えると、この場所がもっとも適しているといえそうだ。

ワンルームマンションでは、窓際にWG2600HPを設置した。ここにはメタルラックが設置されており、もともと電話機や光回線用のモデムなどが置かれている

計測場所の玄関付近。WG2600HPから一番遠いこの場所の速度は、ネットワーク速度を確認する1つの目安になりそうだ

部屋が別れていないワンルームということもあり、速度を必要とする場合は有線LAN接続も十分に可能な環境だが、モバイル端末などにケーブルが繋がっているのはやはり便利さにかける。ベッドなどに寝転んでタブレットでゲームを遊びたいときもあるだろうし、防水ケースを利用してバスルームでネット動画や音楽を楽しむのもアリだろう。無線LANルータがあれば、1人の生活の楽しさも確実に増す。

「iPerf」でワンルームマンションの速度を測ってみたところ、コンバータ経由では窓際、キッチン付近、玄関付近のいずれも、700Mbpsを超える高速な通信が実現できた。電波環境の良さと最新規格に準じた通信機器が揃えば、有線LANに負けない速度を叩き出すことができる。有線ケーブルを露出させないスマートな取り回しを目指すならば、コンバータを利用するのもよさそうだ。またモバイル機器での測定でも200Mbps以上と高速通信が行えた。