無線LANルータを導入することで得られる数々のメリット
まずは無線LANルータについておさらいしておこう。無線LANルータは、IEEE 802.11という規格に沿った無線によって、家庭内の機器をインターネットに繋げたり、機器同士で通信できるようにしたりする製品。Wi-Fi(ワイファイ)ルータとも呼ばれる。この無線LANルータに繋がった機器は、家庭で契約している光回線などを利用して高速なインターネットを楽しむことが可能だ。また、同じ無線LANルータに繋いだ機器同士で通信ができるようになる。
そんな無線LANルータを家庭に導入することは、多数のメリットがある。一番の利点は、有線LANケーブルを家中に這わせずとも、高速なインターネット回線と家庭内ネットワークを使用できる点だろう。また、家中どこででもネットワークに繋がるということは活用の幅も広がるということだ。
コンバータセットと一体型PCで探る無線LANの可能性
今回は実際に、WG2600HPのイーサネットコンバータセット「PA-WG2600HP/E」と、NECの液晶一体型オールインワンPC「LAVIE Hybrid Frista」を用意した。「LAVIE Hybrid Frista」は、ノートPCとデスクトップPCの中間に位置するような、家庭を意識したPCだ。基本的に据え置きで使用することになるものの、バッテリーを内蔵しているため、電源コンセントが存在しない場所でも動作させることが可能。液晶ディスプレイを折りたたむと四角い箱のような形状になる筐体には、BlueToothキーボードを収納することもでき、持ち運びも簡単だ。
WG2600HPを2台同梱し、一台をコンバータとして利用できるお得なイーサネットコンバータセット「PA-WG2600HP/E」 |
コンバータセットと合わせて、NECの液晶一体型オールインワンPC「LAVIE Hybrid Frista」を用いて活用事例を考えた |
その1:お子さんがのびのび過ごせる2階建て一軒家での使用例
1つ目の環境は、木造2階建ての一軒家だ。部屋数は1階にリビング、ダイニングキッチンがあり、2階は3つの部屋に分かれている。お子さんのいる方にはうってつけの住宅で、家族それぞれがプライベートを維持しつつ、生活を営むことができる。このような住宅で有線LANを使うには、あらかじめネットワークを踏まえた設計を行わなければ難しい。後から有線LAN環境を構築する場合、どうしてもケーブルが廊下や階段を這いまわることになるからだ。まさに無線LANの利用が適した環境といえるだろう。
こちらの環境で実際にWG2600HPを設置したのは、1階リビング、入口とほぼ対向する位置。無線LANの電波の飛び方や遮蔽物を考慮すると、本来であればリビングの入口あたりが最適かもしれない。しかし電源コンセントの位置やそのほかの通信機材の設置場所の都合上、配置可能なのがこの位置になった。
今回テストした2階建て住居の間取り図。広さのある住宅は設置場所によって無線LANの電波の飛び方が大きく変わるので、間取り図を見ながら置き場を熟考したい |
木造2階建ての一軒家では、電源コンセントや他の通信機器の都合上、1階リビング、入口とほぼ対向する位置となる書斎スペースに設置した |
家族が集う1階でマルチメディアストリーミングを楽しむ!
リビングで主に無線LANが使用されるのは、AV機器やゲーム機、そして個人のモバイル端末だ。昨今はFire TVやApple TV、Google Nexus Playerなど、多くのメディアストリーミング機器が登場している。安定した無線LAN環境があれば、高解像度の動画配信サービスも快適に楽しむことができる。またネットゲームでの遅延の心配も少なくなるため、Wii Uで対戦シューティングを楽しんでいる方も安心だ。ダイニングキッチンでは、レシピ確認用のスマートフォンやタブレットが活躍するだろう。
多くの機器が接続されている分、電波の渋滞が起こる可能性は大いにあるが、実際に利用しつつ「iPerf」でコンバータの速度を見てみたところ、安定して450~500Mbpsほどの速度でルータと通信を行うことができた。またタブレットを用いた計測でも250~270Mbpsもの速度を実現しており、WG2600HPの実力がいかんなく発揮されている。
パーソナル端末が利用される2階の3部屋
個室やベッドルームが並ぶ2階で使用されるのは、家族それぞれが個人用として使っているPCやタブレット、スマートフォンとなる。MVNOのような格安SIMが普及してきたいま、自宅に戻った際にはスマートフォンを無線LANに接続してインターネットを楽しんでいる方が多いはず。またNASで音楽や写真、動画などを共有している場合は、それぞれが別々のコンテンツを楽しむことができる。
こちらの環境でも念のため速度を計測してみよう。階を隔てると通信速度が低下しがちなのが無線LANの仕様なため、やはり1階に比べると若干速度は落ちる。しかし最も遠い部屋でのスマートフォンの計測でも200Mbpsを超える速度を安定して出せており、コンバータ使用時には450Mbpsほどの数値も確認できた。