Aくん「まずはこのHDDを見てほしい。普段はHDDケースの中身なんて見ないかもしれないが、君が使っているHDDと違うんだよ」
さっと赤いラベルが貼りつけられたHDDを取り出すAくん。Aくんがトラブルなく仕事を進められる理由は、どうやらHDDケースの中身、HDD本体にあるようだ。
Bくん「HDDケースの中身なんて意識したことないよ。容量と速度が同じなら、どれも一緒だろ?」
Aくん「それが違うんだな。君は価格と容量だけ見て製品を選んでいるのが失敗の元なんだ。HDDには、向き不向きというものがあるんだよ。君が使っていたHDDと、僕の買ってきたHDDを見比べてみてほしい」
AくんのHDD講座「HDDは用途にあわせて使い分けるのが重要!」
Aくん「いいかい? HDDとひとことで言っても、その役割はラインナップごとに違うんだ。HDDの最大手であるウェスタン・デジタルでは、用途に合わせたさまざまな製品を販売している。外付けHDDを購入する場合でも、どんなHDDが使用されているかを知ることが非常に大切なんだよ。中にはデータセンター向けなどのエンタープライズ製品もあるけど、今回は一般向けのラインナップをいくつか教えておこう」
HDDには速度を重視したものや容量を重視したもののほかに、NASに特化し信頼性を重視した製品、監視カメラやAV用途向けなどさまざまなラインナップがある。HDD分野において世界トップシェアを誇る巨人、ウェスタン・デジタルでは、これらの製品を色分けしたラベルで分かりやすく示しているのだ。
シリーズ | WD Red | WD Blue | WD Green | WD Black | WD Purple |
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フォームファクタ | 3.5インチ | 3.5インチ | 3.5インチ | 3.5インチ | 3.5インチ |
設計対象 | NAS | デスクトップ | デスクトップ | デスクトップ | 監視システム |
データ転送レート | 144~175MB/s | 147~175MB/s | 135~175MB/s | 168~218MB/s | 110~175MB/s |
容量 | 750GB~6TB | 250GB~6TB | 500GB~6TB | 500GB~6TB | 1TB~6TB |
キャッシュ容量 | 16MB~64MB | 16MB~64MB | 64MB | 64MB~128MB | 64MB |
MTBF | 100万時間 | 30万時間 | 30万時間 | 非公開 | 非公開 |
保証期間 | 3年間 | 2年間 | 2年間 | 5年間 | 3年間 |
デスクトップ向けには、大きく分けて3つのラインナップがある。青いラベルは「WD Blue」。一般的なデスクトップPCに搭載されており、日常作業に向いたパフォーマンスが期待できる。緑のラベルは「WD Green」。動作音が静かで低発熱、価格も手ごろなため、デスクトップPCでのデータ保管用に向く。黒のラベルは「WD Black」。速度を重視し、パフォーマンスを必要とする用途に向いたハイエンドHDD、ただし価格は高めだ。また監視カメラを利用するための「WD Purple」というシリーズもある。
Aくん「ここまでが主にデスクトップPC向けのHDDだ。もちろんどれも優れたHDDなんだけど、常に電源を入れっぱなしで使い続けるNAS (Network Attached Storage) 向けには、別のラインナップが用意されている。それが今回用意したロジテックのHDD「LHD-ENU3WR」シリーズに内蔵されている「WD Red」なんだ。赤いラベルが特徴だね」
Aくん「このWD Redは、WD BlueやWD Greenよりも若干価格が上がるんだけど、それ以上に高い耐久性を備えている点がポイントなんだ。ウェスタン・デジタルが発表しているMTBF(平均故障間隔)を見ると、WD BlueとWD Greenは30万時間。それに対してWD Redは100万時間が謳われている。その違いは保証期間にも表れていて、WD BlueとWD Greenの2年に対し、WD Redは3年に設定されているんだ。つまり、スモールビジネスでのデータ管理や、ホームネットワークみたいな、長時間使用を見据えた環境に最適な製品ってことさ!」