コンパクトゲーミングPC市場に、満を持してツクモが参入した。同社のゲーミングPCブランドの名を冠した「G-GEAR mini」シリーズは、mini-ITXフォームファクタのマザーボードを搭載した小型の筐体に、パワフルなグラフィックスカードを搭載した新たなラインナップとなる。CPUやGPUから発せられる熱を効率的に処理できなければ安定した動作が見込めないコンパクトPCだけに、ツクモがどのような工夫を施したのかが気になるところ。今回はこの「G-GEAR mini」を徹底的にチェックしていく。

ツクモから発売されたコンパクトゲーミングPC「G-GEAR mini GI7J-B63/E」カスタマイズモデル

■ GI7J-B63/E カスタマイズモデル 試用機詳細スペック
型番 G-GEAR mini GI7J-B63/E カスタマイズモデル
CPU Intel Core i5-4460(定格3.2GHz、TB時最大4.4GHz)
チップセット インテル H81 Express (ASUS H81I-PLUS)
メモリ PC3-12800 DDR3L 8GB (4GB×2) SanMaxテクノロジーズ製
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 960 / 2GB
ストレージ 1TB SATA6Gbps対応 (東芝製 DT01ABA100V)
光学ドライブ なし
電源ユニット HEC製 HEC-500TD-5WX (定格500W) 80PLUS BRONZE認証
ケース G-GEAR mini ITXゲーミングケース (ブラック / 8M05)
OS Windows 8.1 64ビット
構成価格 107,784円(税込・2015年4月中旬現在)

5インチベイを省略することでエアフローを向上

まずは「G-GEAR mini」の特徴である本体ケースを確認していこう。mini-ITXサイズのマザーボードを採用しているだけあって、その筐体はミニタワーケースよりもさらに小さく、W183×D390×H300mmとなる。ケース前面には5インチベイを備えておらず、光学ドライブを搭載できない点に注目したい。近年は光学メディアを使用する機会が減っているため、ケース内エアフローを妨げるフロントベイが設計から省かれるPCケースが増えている。「G-GEAR mini」はそんなトレンドを受け、いち早く5インチベイを切り捨てた形だ。光学ドライブが必要な場合は、USB接続の外付けドライブを用意しよう。

高さわずか30cmという小型筐体を採用した「G-GEAR mini」。フロントに5インチベイは存在しない

電源ボタンやアクセスランプ、前面のUSB端子やオーディオ端子は、フロントパネル右下に設置されている

小型の筐体ながらも、ケース背面には排気用の9cmファンを1基搭載。ファンを追加できる箇所はいくつかあるものの、標準で搭載されているファンはこの一基のみとなる。バックパネルの構成はUSB 2.0×2、USB 3.0×2、PS/2ポート、ギガビットLAN、HDオーディオ。CPU内蔵グラフィックス機能用の映像出力端子としてDVIとVGAも備えているが、別途グラフィックスカードを搭載しているため、シールで封がされている。マザーボード上の拡張スロットは1基のみだが、ケース上のスペースは2基分用意されており、標準でグラフィックスカードが搭載されている。DVI-I、DVI-D、HDMI、DisplayPortと現状使用されている出力端子を取り揃えているため、接続するディスプレイに困ることはないだろう。

ケース背面の様子。mini-ITXマザーボードを搭載しているため、拡張スロットスペースは2基(スロット自体は1基)のみとなる

背面以外はオールメッシュ加工で通気性は抜群

ケースフロント、両サイド、トップのパネルにはいずれもメッシュ加工が施されており、ボトムにもエアホールが設けられているため、通気性は非常に高い。ケース内のスペースこそ狭いが、外気を積極的に取り入れることでCPUやグラフィックスカードを冷却する仕組みだ。それぞれのパネルはプラスチック素材で構成されており、メッシュ部分やネジ・ファン取り付け部にのみ金属パーツが用いられているため、重量は思いのほか軽く、扱いやすい。

ケース左右側面の様子。どちらもスペースのほぼすべてにメッシュ加工が施されている。周囲はプラスチック製となっているため、パネル自体は非常に軽い

ケーストップもほぼすべてメッシュ加工。ボトムは金属板にエアホールが設けられた仕様となっており、プラスチック製の足で高さを稼ぐことで、通気スペースが確保されている