最後にシンプルなデザインで、コンパクトながら3人がけを可能にしたポーラソファに関して。三嘴さんに当時の企画開発の意図から伺おう。
「背景に、イデーが火付け役の一画も担った北欧家具への評価がありました。またイデーが、自社のオリジナル家具とのコーディネートを提案する目的で、北欧ヴィンテージ家具の買い付けなども始めた時期。シルエットが軽やかで、きれいな形のスカンジナビアンデザインを採用した新しい商品を作っていこうと、イデーが西山さんと作りあげたソファです」(三嘴さん)
デザインについてはデザイナーからの細かな指示があったという。西山さん自身、その要望に答えるためかなり試行錯誤したそうだ。
「女性向けのデザインにしたいということで、背中の外側や肘掛の下など細かい部分をはじめ、全体的に丸みを帯びたデザインになっています。アールを出す(丸みを出す)のは大変な作業。しかもデザイナーからここは何アール、ここは何アールと細かな指示があったので、かなり苦労したのを覚えています。それに合わせて木枠を作りました。
結局、シナ材(一般には家具や建具の表面に使われる良質な木材)の曲げベニヤを使ってアールを出しています。脚に関しても丸く、先端がつぼまっている。なおかつ“もっと中(内側)に入れられないか”と。これ以上中に入れると、肘掛に腰掛けた場合にソファがひっくり返ってしまう、と指摘して、デザイナーさんのイメージとの攻防があり(笑)、ギリギリまで試行錯誤しましたね」
ちなみにはポーラソファはワイドが1660mmである。通常イデーでは、1660mmは2人がけ、1900mm は2.5人がけ、2000mm以上は3人がけと定義している。背やアームの薄いポーラソファは、コンパクトなサイズながら、一人用の座面が500mm取られており、3人がけにも十二分に対応できる仕様になっているのが魅力だ。背の部分の張り込みに関しても工夫されており、「メーカーによってはウレタンである程度の丸みを出しますが、ポーラソファでは、形をより美しく見せるため曲げベニヤを利用して繊細で絶妙なアールを保持して」いるという。
「デザイナーさんのやりたいことを、こちらから察してなるべく近づける。我々が作ったものに対して『あっ、作りたかったのはこれだよ』と思っていただくのが醍醐味。イデーさんはエンドユーザーさんとの接点がありますが、我々はデザイナーさんとMDさんと仕事をしていますね。その人たちが持ってきたイメージを具現化することが重要と考えています」(西山さん)。その西山さんの姿勢は製作を依頼するイデー側にも十分に伝わっているようだ。西山さんの言葉を受け、三嘴さんが続ける。
「我々としても、情報・技術など工場側から教えていただかなければならない部分も多い。我々は工場から学び、さらに自分のこだわりを伸ばしていく。こういうもの作りに対して一から情熱のあるメーカーさんって我々としてもすごく貴重なんです。西清木工所はそういう存在です」
デザイナーが、デザインと生活を繋ぐのが仕事であるならば、マーチャンダイザーはビジネスとデザインを繋げる仕事。そして、それをどうすればうまくいくのか? 工場はその答えを持っているところでもある。そのトライアングルが成り立ってこそヒット商品が生まれるのだ。すべて手作業で「ウレタンひとつとっても長年使ってもへたらないものを多く使用したり、いろいろなこだわりを持って作って」いる西清木工所。細部まで考え抜かれたソファに座ってゆっくりリラックスしたくないだろうか? そして15年、いや20年後まで愛着を持って生地の張替えをして、利用できるソファ。人生の相棒として、こだわりのソファを選んでいただきたい! 国産受注ソファは高いというイメージがあるが、愛着を持って長く使ってもらうための工夫が惜しみなく盛り込まれていることを知り、その価値についても見えてきたように思う。
最後に、西山さん曰く「イデーのソファは、一見シンプルだけれど、実は細部や見えないところにまで緻密なこだわりや工夫が施されています。ある意味『玄人好み』で、その違いはわかりづらいかもしれませんが、近年、一般の方の暮らしや家具への意識がだいぶ高まってきて、見る目も肥えてきました。イデーのソファの魅力が伝わる時代が、やっと来たのかな(笑)と思います」。イデーのショップは自由が丘、六本木、大阪・梅田ほか全国に12店舗展開している。まずは、ソファをはじめ、家具がほぼフルラインナップで確認できるオンラインショップをチェックして、次の休みに出かけてみてはいかがだろうか。ぜひ日本のソファ職人が絶賛するイデーのソファに実際に触れて、座って、「違い」を体感ほしい。
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