「GB-BXi7-5500」に搭載されたCPUは、Intel Core i7-5500U。クロック2.4GHzで動作するデュアルコアCPUとなり、ターボ・ブースト時には最大3.0GHzで動作させることが可能だ。このサイズでも余裕をもって冷却できるだけのことはあり、TDPは15Wと低い。Windows8.1をインストールした後、CPU-Zにてコア電圧を確認したところ、3.0GHz動作時には1.13Vほどとなった。最大消費電力は、3DMARK実行時の最大値で42W。Windows8.1のアイドル時は8W前後となる。付属しているACアダプタの出力は65Wなので、まだまだ余裕がありそうだ。小さな筐体に加え、この低い消費電力が本機の特徴となるだろう。ドライバーディスクには「USB Power-On Patch」も含まれており、実行するとUSB機器から電源をONにすることが可能となる。ディスプレイ背面へのVESAマウントなど、電源ボタンを押しにくい配置を行った場合に便利だろう。

CPU-Zで確認したIntel Core i7-5500U。ターボ・ブースト時には最大3GHzもの高クロックで動作する

ドライバーディスクには各種ドライバだけでなく、USB機器からPCの電源を入れるためのユーティリティなども保存されている

ベンチマークで"Broadwell"の実力を確認!

Windows8.1のインストールが完了したところで、念のため各種ベンチマークの結果をざっと確認してみよう。計測したのは「WIN SCORE SHARE」を利用したWindows エクスペリエンス インデックススコアの結果、「CINEBENCH R15」、「PC MARK 8」、「3DMARK」だ。性能向上が際立つのがCPU内蔵グラフィックス「Intel HD Graphics 5500」だろう。グラフィックス関連スコアにて、前世代の「Intel HD Graphics 4600」を大きく超えるスコアを叩きだしている。

「WIN SCORE SHARE」で確認したWindows エクスペリエンス インデックススコア

「CINEBENCH R15」のベンチマーク結果

「PCMARK 8」Home Conventional 3.0の測定結果

「3DMARK8」の各ベンチマーク結果

Broadwell搭載「BRIX」の設置場所を考える

さて、写真やベンチマークでも確認した通り、Broadwellを搭載した「GB-BXi7-5500」は極小の筐体に優れた処理能力を秘めた省電力PCとなる。通常のデスクトップやノートPCのように机の上に置き、液晶ディスプレイに繋ぐのも良いのだが、せっかくなので家庭のさまざまな場所にBRIXを置いてみよう。

最初に考え付くのは、やはりテレビへの接続。リビングのAVラック上に持ち込んだところ、テレビスタンドとディスプレイ本体の間にちょうどすっぽりとBRIXが収まった。動画や写真再生、リビングでのインターネット閲覧を主目的にするなら、HDMI接続でテレビと直接つなぐこの設置はやはり定番だろう。

テレビのHDMI入力に接続するという使い方は、真っ先に思いつくものだろう。リビングの液晶ディスプレイとして利用できる

次に、音楽再生用とした場合を考え、AVラックのプレイヤーとアンプ周辺への設置を考えた。大型のプレイヤーとアンプに比べるとBRIXはひときわ小さいため、ラック中のスペースの空きに余裕をもって設置することができた。AVアンプへHDMIで接続することで音声を高音質で再生できるのはもちろん、AVアンプに接続しているテレビに映像を写すことも可能だ。

AVアンプに接続すれば、AVアンプから出力される各機器やスピーカーで映像・音声を利用できる。切り替えが必要なのが少々手間だが、活用の幅は広いだろう

続いて試したのは、プロジェクターとの直接接続。通常のデスクトップやノートPCでは難しいが、BRIXならばプロジェクターの上にポンと載せておいても大丈夫だ。常設したプロジェクターでこの配置をすることはあまりないかもしれないが、必要に応じてプロジェクターを出し入れしている場合はなかなか有効ではないだろうか。また仕事でプロジェクターを使う際にも便利だろう。

プロジェクターに乗せて使えるほど小さいため、このような使い方も良いだろう。特にプロジェクターの位置を固定していない場合は可搬性がかなり高くなる

最後に、各種サーバー用途などを想定したモデム/ルーター周辺への配置だ。今回は他の危機が縦置きだったため少々バランスが悪いが、ルーターよりも小さいBRIXなら、通信機器周りにまとめてもほとんど邪魔にならない。このほかUSB接続のHDDなどを追加してもまだスペースには余裕がありそうだ。液晶ディスプレイを置くスペースは無いので、リモートデスクトップなどを活用して操作することになるだろう。

サーバー用途に利用するなら、ネットワーク機器周辺においてしまうのが一番手っ取り早い。サイズも小型のルーター程度なので、並べても全く違和感が無い